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深セン市の羅湖区と宝安区中心、中古マンションの相場は?

中国の中古住宅マンションの販売価格の相場をご存知でしょうか?中国に住んでいる日本人は賃貸マンションの家賃相場は把握していても、あまり不動産価格を知らないのが実状です。深セン市の中心部と郊外にある不動産相場をお伝えします。

1.中国大都市の住宅価格は?

深セン市の羅湖区の中古マンションは?

中国の一線都市とよばれる深セン市の住宅価格は、現在どのような水準でしょうか?これまで中国にあまり関わりを持っていなかった日本人にとっては、中国の中古マンションは日本よりもずいぶん安いというイメージを持っている人も少なくないかもしれません。

じつは中国の一線都市とよばれる大都市の不動産(とくに住宅)は、日本人の想像以上に価格が高騰しています。

広東省の深セン市
深セン市は1980年に経済特区として外資に開放された都市。福田区、羅湖区、南山区、宝安区、塩田区、竜崗区の6つの行政区、光明新区(旧宝安区)、竜華新区(旧宝安区)、坪山新区(旧竜崗区)、大鵬新区(旧竜崗区)の新しい4つの功能区にわかれている。総人口は1,055万人(2012年末)。
中国の一線都市とは?
一線都市とは、中国のなかで不動産価格や所得水準などの生活レベルや物価の高い大都市のことを言います。明確な定義はありません。中国語では「一線城市」 と書きます。「第一財経週刊」という雑誌は2014年、19都市を指定しています。北京、上海、広州、深センなどは一線都市の代表。
(写真1)不動産仲介会社の店頭の賃貸と売買の住宅情報(深セン市羅湖区)

(写真1)不動産仲介会社の店頭の賃貸と売買の住宅情報(深セン市羅湖区)

深セン市内の中古マンション価格

深セン市羅湖区の国貿駅(地下鉄)から徒歩数分にあるマンション。不動産仲介会社の店頭には販売価格が記載されています。この張り紙に書かれている中古マンション価格をみると、160万元~190万元(約3,200万円~3,800万円)。この価格を安いとみるか、それとも高いとみるか、いかがでしょうか?

深セン市の羅湖区
深セン市の羅湖区とは、1979年10月に設立され経済特区に指定された広東省深セン市の中心地区。羅湖区の総人口は94万人(2013年末)。羅湖口岸という入出境地区を通り香港に行くことが可能。深セン市全体の人口は1,055万人(2012年末)。
(写真2)深セン市羅湖区にある大都会の中心のマンションの販売価格

(写真2)深セン市羅湖区にある大都会の中心のマンションの販売価格

この陽光新幹線という住宅マンションですが、2005年から販売されている築10年ほどの高層マンションです。この高層マンションの立地は地下鉄から徒歩5分くらいのところで、香港に行くときに利用する羅湖口岸まで徒歩でも移動できる場所にあります。

この広告の部屋の広さを見てみると、63㎡~70㎡となっています。中国の住宅マンションの面積は建築面積というもので表示されているのが一般的です。日本で販売されているマンションの面積に対して、70%~80%の室内面積で考えたほうが良いでしょう。

中国の建築面積とは?
建築面積とは、実際に利用できる部屋の面積に共有スペース(共有廊下、エレベーターホールなど)の分配された面積です。中国の高層マンションでは建築面積の70%~80%が使用面積(部屋の面積)といわれています。

中国の建築面積から日本の室内面積に換算すると、だいたい45㎡~56㎡くらいの部屋であることがわかります。この室内面積であれば、日本であれば1LDKくらいの広さでしょうか。

日本の1LDKの広さの築10年の中古マンションが、だいたい3,500万円前後というのが羅湖区の中古マンション(築10年前後)の相場です。けっして安くはありません。

2.深セン市郊外の宝安区中心部の不動産価格

大都市の郊外なら中古マンションは安い?

では、深セン市郊外の宝安区の中古マンションの価格はどうなっているでしょうか?この宝安区は日系企業の工場もたくさん進出しているところです。

もともと深セン市は1980年から経済特区として中国のなかで先頭にたって発展してきましたが、宝安区は経済特区の外、つまり特区外として発展してきました(2010年7月に深セン市全域が経済特区に拡大されている)。この大都市の郊外の中古住宅の価格はどのくらいでしょうか?

深セン市宝安区とは?
深セン市宝安区(総人口268万人、2012年末)は、新安街道、西郷街道、福永街道、沙井街道、松崗街道、石岩街道の6つの街道(区政府の出先機関)に分かれている。2007年に光明新区(総人口49万人、同)、2011年に竜華新区(総人口141万人、同)が宝安区から分離される。旧宝安区の総人口は458万人で、深セン市の総人口1,055万人の半分弱を占める。
(写真3)深セン市宝安区の不動産仲介会社の店頭の広告(中古住宅の価格)

(写真3)深セン市宝安区の不動産仲介会社の店頭の広告(中古住宅の価格)

深セン市郊外の宝安区にある不動産仲介会社の広告(中古マンションの販売価格)をみると、建築面積82㎡のマンション(新安湖花園、冠城世家)は210万元~250万元(約4,200万円~5,000万円)で販売されています。深セン市郊外であっても、けっして安くありません。

深セン市郊外といっても宝安区の中心地であり、中国の投機マネーや高い住宅需要により住宅価格は高騰しています。このピックアップした住宅が中国のなかで超高級マンションというわけでもありません。中高所得層のサラリーマンが頑張って手に入れるレベルのマンションです。

中国の一般市民はこれからも住宅価格が高騰していくと考えていて、いま買わないと今後も高くなる、将来は高くて買えなくなると考えています。この価格の高騰や高止まりに終わりはくるのでしょうか。(了)

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