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中国で排気ガスの改善対象にされている黄標車とは?

ここ数年、中国政府は黄標車とよばれている自動車の廃棄を推進している。いくつかの大都市では黄標車にたいして市内への進入を制限している。この黄標車は排気ガスの有毒性が高いといわれているが、一体どのような自動車なのだろうか?

1.黄標車という自動車?

なぜ黄標車とよばれるのか?

中国の環境汚染の25.8%は自動車、船、飛行機が原因だといわれている。その自動車の環境汚染の代表的なものとして、黄標車とよばれる自動車があげられている。この黄標車とは一体どのような種類の自動車なのだろうか。

中国の黄標車という呼び名は、中国で求められている環境保護に関する自動車検査と関係している。中国の自動車は6ヶ月から2年に一回の頻度でこの検査を受けなければならない。この検査の結果、ガソリン車では国Ⅰとよばれる排気ガス基準を満たしている場合は緑色シール、基準に未達の場合は黄色のシールが配布される。

(写真1)世界最大の自動車市場になっている中国、街中に自動車があふれる

(写真1)世界最大の自動車市場になっている中国、街中に自動車があふれる

この国Ⅰという排気ガス基準に未達で黄色シールが貼られている自動車が黄標車。この黄色のシールが貼られていることにより黄標車とよばれている。ちなみに、ディーゼル車の排気ガス標準はディーゼルの国Ⅲとよばれ、同じように基準に達していない場合は黄色のシールが配布される。

1995年以前の自動車がおおい

この黄標車は1995年以前にナンバープレートをとった十数年以上もたった自動車が多いといわれている。この黄標車の排気ガスは現在のあたらしい自動車の5倍から10倍の有害物質を含んでいるといわれている。

2.淘汰に向かう黄標車

交通制限されている黄標車

中国政府は黄標車を制限するために、いろいろな政策を打ち出している。とくに中国の大都市では市内中心部での黄標車の通行を制限して、とくに人の行き来がおおい市内の大気の改善をすすめている。この交通制限は大気改善のためだけでなく、黄標車の不便さを増やして廃棄をすすめることも意図している。

北京市では2003年から二環路とよばれる市内中心部のまわりを囲んでいる道路内で黄標車が通行することを禁止している。

上海市では外環とよばれる道路の内側で黄標車が通行することを2014年7月から禁止している。2015年4月からは上海市郊外でも黄標車の通行を禁止することが決まっている。このルールに違反した場合は200元の罰金にくわえて、運転免許証から3点が減点される。

運転免許の点数
中国では運転免許の保有者には12点が与えられている。1年間のあいだに合計12点を減点された場合、15日以内に交通安全の講習をうけなければならない。

奨励される黄標車の廃棄

黄標車にたいする交通制限だけでなく、黄標車からの買い替えにたいしても奨励策を打ち出していた。2008年のリーマン・ショックにはじまる世界金融危機により世界的に消費が落ち込むなか、中国政府は2009年に黄標車を廃棄してあたらしい自動車を購入することにたいして補助金をだす「以旧換新」(2009年6月~2010年5月)という政策を打ち出していた。

広東省の東莞市でも2013年に「以旧換新」に相当する買い換え奨励政策を打ち出している。(了)

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