上海にあるCoCo壱番屋、確かに美味い!どこまで伸びるか?
カレーハウスCoCo壱番屋は中国本土に47店舗も出店している。味と品質は日本と変わらないものの、カレーライスの値段も日本とほぼ変わらない。少し高級なカレーライスという位置づけで、どこまで中国市場を開拓できるだろうか?
1.中国のCoCo壱番屋
日本式カレー店を中国で展開!中国人に受け入れられるか?
中国の大規模都市を中心に出店攻勢をかけているカレーハウスCoCo壱番屋。中国でも日本にあるCoCo壱番屋と変わらない美味しさを提供している。中国のCoCo壱番屋は、日本人の長期滞在者の多い北京、上海、蘇州、無錫、広州、深センなどの都市だけでなく、日本人が少ない武漢(湖北省)、瀋陽(遼寧省)、南京(江蘇省)などにも展開している。
いまのところ、CoCo壱番屋の客入りの様子を見るかぎり、立地によっては苦戦しているところも見受けられる。やはり一番のネックは他のレストランよりもやや高めの価格帯である点だ。日本のCoCo壱番屋の客単価(平均)は873円であるのに対して、中国のCoCo壱番屋は客単価903円とほぼ変わらない。この価格帯であれば、経済的にそれほど余裕のないホワイトカラー層は来店に躊躇(ちゅうちょ)してしまうだろう。
- カレーハウスCoCo壱番屋
- カレーハウスCoCo壱番屋は、日本最大のカレー専門チェーン店。ハウス食品の子会社。日本だけでなく、米国、台湾、中国、韓国、タイなどにも展開。フランチャイズを含めた店舗数は1,421店、国内1,269店、海外152店(2015年11月末時点)。本社は愛知県一宮市。売上高899億円(国内798億円、海外101億円)。中国には2004年に進出。
2.CoCo壱番屋のカレー
定番のカツカレーがうまい!日本と変わらない味
CoCo壱番屋のロースカツカレー(38元)。日本円に換算すると約760円。中国のほかのレストランにくらべて、カレーの盛り付けも丁寧にされている。まさに日本で食べるCoCo壱番屋のカレーライスと同じ。
上海のCoCo壱番屋に入ると、スタッフは注文を取る前に「冷たいお水にしますか?それとも、温めのお水ですか?」と聞いてくる。中国人はあまり冷たい水を飲まないため、温かめの水(中国語では温水)もあわせて聞いてくれるサービスの気遣い。中国ではあまり味わえないホスピタリティだ。
コロッケカレー(チーズ入り)!最高の組み合わせ
中国のCoCo壱番屋で最も好きなメニューは、コロッケカレーのチーズ入り(38元)だ。ボリュームたっぷりのコロッケが2つ。カレールーとチーズの相性は抜群だ。
3.CoCo壱番屋の留意点
ご飯の量と辛さを選べる!
カレーハウスCoCo壱番屋では、日本と同じようにご飯の量とカレーの辛さを選ぶことができる。ご飯の量は300gが基本。そこから+100g増量するごとに5元(約100円)加算される。一般的な男性であれば300gで十分だろう。女性の場合は、200g(マイナス100g)でもお腹いっぱいになるはずだ。
辛さは1辛~5辛まで5段階の辛さが用意されている。通常は下から2番目の2辛となっている。2辛(基本)はそれほど辛くないので、辛いカレーを好む人には3辛がおススメだ。中国のほかのレストランでは、ご飯の量や辛さのレベルを調整できるお店を見かけたことがないので中国人にも新鮮なサービスではないだろうか。
CoCo壱番屋、カレーうどんもやってます!!
CoCo壱番屋ではカレーライスだけではない。冬季限定でカレーうどんも提供している。ただ、38元~46元(約760円~920円)とちょっと高めの価格になっているので敬遠してしまうかもしれない。
2004年に中国市場に参入したCoCo壱番屋。2007年までは上海市内で少しずつ店舗数を増やしてきた。2007年10月に成都市(四川省)に出店し、そこから北京をはじめとする他の都市に参入をすすめた。中国人にどこまで日本式カレーライスが受け入れられるのか?
中国で展開するイタリア料理のサイゼリヤは圧倒的な低価格路線で、中国人のボリュームゾーンの顧客の取り込みに成功している。現時点ではCoCo壱番屋の価格帯は中所得層以上がターゲットになっており、お店の立地を誤ると、かなり集客に苦戦してしまう。2015年11月末時点で47店舗を中国本土で展開しているが、今後どこまで店舗を増やすことができるだろうか。期待したい。(了)