中国華南の広州市（広東省）には、北京路とよばれる歩行者天国で有名な観光スポットがあります。１日平均で約40万人が訪れ、大型連休になると60万人～100万人が訪れると言われています。いったい、その人気はどこにあるのでしょうか？
１．広州市の北京路歩行街
中国人観光客の訪問スポット
広東省の広州市には北京路歩行街（広州市越秀区）という有名な歩行者天国があります。上海市にある淮海路のような近代的な商業通りではなく、「中華」という雰囲気が出ている南京路のような中国らしい雰囲気を残している商業通りです。
- 広州市とは？
- 広州市は広東省の省都（県庁所在地に相当）。総人口は1,293万人（2013年末）。毎年春と秋には中国進出口商品交易会（広州交易会）と呼ばれる中国最大の見本市（展示会）が行われている。
（写真１）中国人の撮影用に用意されたような入り口のオブジェ（広州市の北京路）
中国的な商業歩行者天国を歩く！
上海市の観光スポットで有名な南京路（黄浦区）と同じように、広州市の北京路は買い物する場所というよりも、むしろ雰囲気を楽しみながら街歩きする大通りです。１日平均で約40万人が訪れ、祝日には60万人～100万人が訪れると言われています。この北京路の全長は1,400mくらいで、いまでは終日ずっと歩行者道路になっています。
（写真２）北京路千年古道遺跡、むかしの道路（道）が展示されている
２．中国人を引き寄せる北京路歩行街
すごく魅力的なものがある訳ではない
この北京路には何か象徴的な観光スポットがあるわけではありません。中国メーカーを中心としたアパレル店舗が出店していたり、マクドナルドやケンタッキー（KFC）などのファーストフード店が並んでいます。それほど特徴的な歩行街ではないものの、広州市を訪れた国内観光客はたくさん訪れているようです。
広州市には北京路（越秀区）のほかに、上下九歩行街（茘湾区）とよばれる巨大な商業歩行街も有名です。しかし、広州市の外部（外地）から来る人にとっては、ほかの歩行街よりも北京路を見学したいようです。
（写真３）天河城百貨店という古い中国的な百貨店もある（北京路内）
モスバーガーは北京路から撤退ずみ？！
この北京路を歩いていると、すでに北京路から撤退したモスバーガー（MOS BURGER）の看板が残っていました。広州モスバーガーの公式ホームページを見ると、現在のところ広州市内で５店舗営業しています。かなり苦戦しているのか、2014年9月27日時点で花城匯店（広州市）も閉店しています。
（写真４）撤退しても看板はなぜか残っているモスバーガー（広州市の北京路）
中国のファーストフード業界は、マクドナルド、ケンタッキー（KFC）、バーガーキング、SUBWAY、永王大王、真功夫、ピザハットなど15元～30元（約300円～600円）の価格帯で激しい競争が繰り広げられています。後発組として2008年に中国本土市場に本格参入したモスバーガーは、いまのところ苦しい展開が続いているようです。
- モスバーガー
- モスバーガーは、株式会社モスフードサービスが展開する日本発祥のハンバーガーチェーン店。2013年3月時点で日本国内1,431店舗、海外311店舗。海外店舗はアジア中心で、とくに台湾（246店舗）に積極展開している。
商業施設の集客店舗、スターバックス
この北京路にもスターバックス（スタバ）があります。中国の地方都市に行っても出店している大人気のスターバックス。集客が上手くいっていない商業施設にとっては、ぜひとも誘致したいテナントのひとつでしょう。現在ではガランとした商業施設でも、なぜかスターバックスだけは満員というところは少なくありません。
ちなみに、中国人はコーヒーをあまり飲みませんが、スターバックスのカプチーノやモカなどの甘いコーヒー飲料は大人気です。普通のドリップコーヒー（中国では新鮮調制珈琲）は、ほとんど注文する人がいないためか、外国人客が少ない店舗では品切れであることは少なくありません。
（写真５）すでに中国本土で1,000店舗を超えるスターバックス（広州市北京路）
日本人からすると普通の歩行者天国に見えてしまう北京路。中国人は人が集まる場所をブラブラすることを好みますので、中国人にとっては有名なストリートになっている北京路は歩いているだけで楽しいのかもしれません。（了）
