上海市にあるオシャレな建造物、1933老場坊(旧屠殺場)
上海市虹口区には1933老場坊とよばれるオシャレな建造物があります。むかしの屠殺場の建物で、現在では改築されて観光スポットのひとつとなっています。この1933老場坊は独特の雰囲気をもっていて、上海に住む西洋人も訪れています。
1.上海の共同租界の屠殺場だった建造物
本当に屠殺場だったのだろうか?
上海市虹口区に1933老場坊とよばれる旧租界時代に建てられた目を引くような建造物があります。おそらくかなり改装されていて昔の雰囲気とは、ずいぶん変わっているのかもしれません。2008年2月から1933老場坊のなかの商業テナントを募集していて、いまではレストランなどが出店しています。
1933老場坊は、上海公共租界工部局がお金を出して建設された屠殺場(家畜の食肉解体場)と言われています。上海公共租界工部局は、旧租界時代の租借側(外国側)が設立した最高行政機関で、中国政府(当時は清政府)に属した機関ではありません。それにしても、あまりにもオシャレでしっかりした建物であり、本当に屠殺場だったのでしょうか。
- 上海の租界地とは?
- 上海の租界地は、1842年の南京条約により設定された外国人居留地。南京条約は、アヘン戦争によってイギリスと清(中国)との間で結ばれた条約。上海租界地は日本を含めた共同租界とフランス租界をまとめた総称。租界地では、租借側に行政権と治外法権が認められている。
もともとオシャレだったのだろうか?
この1933老場坊は、いまでは中国人や外国人のアーティストにとって撮影などで使われるオシャレなスポットになっています。上海に住んでいる西洋人にも有名なようで、大きなカメラをもって撮影にくる西洋人も少なくありません。
2.いまでは観光スポット
テナント料は高い
現在ではレストランなどが出店されています。ここのテナント料はけっして安くなく、公表されているデータによると1㎡あたりの月額賃料は約150元(約3,000園)ですので、100㎡のスペースを賃貸すると1.5万元(約30万円)になります。
この賃料とは別に、物業費(管理費)が1㎡あたり18元(約360円)発生しますので、1ヶ月で1,800元(約3.6万円)も発生します。この1933老場坊は繁華街の近くにあるわけではないので、どこまで集客できているのでしょうか。
不思議なもの見たさで訪れる見物客
一度は見物してみるのも良いでしょうが、リピーターは少ないかもしれません。1933老場坊を訪れる人を見ていると、80%くらいは若者です。あまり年配の中国人には魅力的な場所ではないのかもしれません。すでに歴史的建造物とは言いがたい雰囲気になっています。
イベント会場も設置されている
現在では集客施設としてイベント会場も設置されています。建物のなかにはエレベーターも設置されています。
この1933老場坊のホームページを見てみると、テナント(店舗、オフィス)、イベント、結婚披露宴が熱心に募集されています。(了)