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上海でレノボ(Lenovo)X230のキーが故障したら?

上海市内にあるスターバックスでパソコンを触っていると、Backspaceキーがポロッとはずれてしまった。現在つかっているレノボのThinkPad X230はノート型のパソコン。じつはノートパソコンのキーボードを修理するのはやっかいだ。

1.レノボ(Lenovo)の修理サービスセンター

ノートパソコンのキーが外れた!!

2年半くらい利用しているレノボ(Lenovo)のThinkPad X230のBackspaceキーがはずれてしまった。はずれてしまったキーを押しこめば問題ないと思ったが、はずれた部分が壊れているようですぐにはずれてしまう。

このBackspaceキーはけっこう重要で、このキーがないとタイピングスピードが劇的に落ちてしまう。はずれてわかるBackspaceキーの重要性。

(写真1)Backspaceキーが外れたレノボのThinkPad X230

(写真1)Backspaceキーが外れたレノボのThinkPad X230

上海には大手メーカーのサービスセンターがある

上海などの中国の大きな都市には、韓国メーカーであるサムスン(Samsung)などのスマートフォン(スマホ)やパソコンなどのデジタル製品に関するメーカー公認のサービスセンターが設置されていることが多い。

中国の街中にある電脳城とよばれるパソコン街にもメーカー公認の販売店はあるものの、修理などはサービスセンターのほうに行ってくれと言われることは少なくない。実際に上海市内の電脳城にあるレノボ(Lenovo)の公認販売店でキーボードの修理を聞いてみると、「近くにサービスセンターがあるので、そちらに行ってください」との対応。

(写真2)上海市内にあるレノボのカスタマーサービスセンター(客戸服務中心)

(写真2)上海市内にあるレノボのカスタマーサービスセンター(客戸服務中心)

銀行のように順番待ちの券(番号札)がある

このレノボのカスタマーサービスセンター(客戸服務中心)に入ってみると、銀行のように番号札をとって順番を待つ仕組み。製品販売店とはまったく違う雰囲気の店内。

店内で順番を待っていると、ひとりの中年のおばさんが「ここで修理するよりも電脳城のほうが安い?」と質問されるものの、何を修理しようとしているかわからず「わたしも知りません」と対応してしまう。

(写真3)レノボのカスタマーサービスセンター(客戸服務中心)の店内の様子

(写真3)レノボのカスタマーサービスセンター(客戸服務中心)の店内の様子

2.ノートパソコンのキーは交換できない?

ノートパソコンのキーは基本的には全部交換

ノートパソコンのキーボードのキーは1コ1コの修理はできない。今回はじめて知ったことだが、キーボードは板チョコのように1枚の板になっている。

(写真4)一枚の板になっているノートパソコンのキーボード

(写真4)一枚の板になっているノートパソコンのキーボード

電脳城(パソコン街)の販売店でも言われたことだが、Backspaceキーを修理するならキーボード自体を交換しなければならない。Backspaceキーはキー自体が外れてしまったものの、なかに付いている突起物をさわると反応してくれる。

Backspaceのキーカバーが1つだけはずれてしまっただけでキーボードすべてを交換しなければならないのは違和感をもってしまう。

(写真5)ノートパソコンのキーボードの裏側はこんな感じ

(写真5)ノートパソコンのキーボードの裏側はこんな感じ

キーボードの交換費用は?

このレノボのThinkPad X230のキーボードを正規のカスタマーサービスセンターで交換したら、450元(約7500円)もかかってしまう。このサービスセンターの担当者の話では、日本語版のキーボードはないため、中国語版か英語版になるという。キーの上に印字されている文字が異なるだけで利用には問題はないという。

この正規のカスタマーサービスセンターで修理すると、その品質は信頼できるものの部品交換代は高い。電脳城のなかに入っている色々なメーカーの製品をあつかっているパソコン屋であれば、200元~300元でキーボードを交換できるという。ただし、その部品が正規品であるかわからない。

3.中国で前払金を払うと返金されない?

キーボードの部品は取り寄せ

レノボのカスタマーサービスセンターの担当者によると、X230のキーボード(英語版)は取り寄せになるという。取り寄せのためには100元(約1,650円)の前払金が必要だという。受け取ったレシート(中国語では收据という)には「前払金は返金しません」と書かれている。

(写真6)カスタマーサービスセンターから受け取った前払金のレシート

(写真6)カスタマーサービスセンターから受け取った前払金のレシート

このレシートには「訂金(ディンジン)」と書かれている。中国には「訂金」と「定金」と大きく2つの前払金、手付金、予約金という位置づけのモノがある。

この「訂金」や「定金」が中国の担保法の第89条に定められているモノであれば、前払いで支払ったあとに自己都合でキャンセルしても返金されないことになっている。反対に相手の都合でキャンセルされると倍返しになると定められている。

担保法の第89条)当事者は一方の取引相手に対して債権(今回はキーボードを修理すること)の担保として定金を支払うことを約束できる。債務者(修理を依頼する人)は債務(対価を支払う)を履行したら、(サービスセンターは)定金を価格から差し引くか、返金しなければならない。

定金を支払った一方が債務を履行しなかったら、定金の返還を要求する権利を失う。定金を受け取った一方が債務を履行しなかった場合、定金の2倍を返金する

カスタマーサービスセンターに支払った「訂金」は名称こそ「定金」とは異なるものの、キャンセルしても返金されないと記載されている。そのため、実態として担保法でいう「定金」に該当するだろう。

ちなみに、担保法の第90条で「定金」は契約金額の最高20%と決められている。今回の契約額を450元とすると、最高90元までしか受け取れないところ、100元も受け取っているので法律に基づかない対応になっているだろう。しかし、450元は高い。(了)

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