上海の病院で液体窒素によるウイルス性イボの治療後の変化
指先や足裏にウイルス性イボと呼ばれる皮膚病が発症。このウイルス性イボは日本で販売されている「イボコロリ」などの薬では治らない。皮膚科の専門医に診察してもらい、適切な治療をうけないとイボが拡散してしまうので注意が必要だ。
1.治療するまえの状態
これがウイルス性いぼ
上海にあるほぼ日本人専用の国際クリニックでカサカサした指先をみてもらうと「これはウイルス性イボです」と診断。「いぼ?」というとブツブツした突起物をイメージしていたら、こんなカサカサのモノもイボらしい。
ウイルス性イボは中国語で「病毒疣」
このウイルス性イボは、中国語では「病毒疣」とよばれている。「病毒」がウイルスで、「疣(ヨウ)」はイボという意味。中国語では「肉贅」という単語もイボをあらわしている。日本語ではウイルス性イボのことを尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)とも呼んでいて、疣贅(ゆうぜい)はまさに中国語と同じ。
2.治療直後
液化窒素で低温やけど
このウイルス性イボの治療方法は、マイナス196度の液化窒素をつかって治療部位を低温で壊死させる凍結治療と呼ばれている。この治療は痛い。とくに皮膚が厚い足裏にくらべて、指先には激痛がはしる。中国の病院の看護師はまったく手加減してくれない。
日本で液体窒素治療のブログ記事を読んでいると、一箇所あたり3秒程度と書かれている。しかし、実際に中国で治療を受けてみると、液体窒素をしみ込ませた綿棒の押しつけ時間は一回あたり3秒程度。ただし、一箇所あたり20回ほど押しつけるので、一箇所で3分くらいかかる。
液化窒素で低温やけどさせることを、中国では「冷凍(ロンドン)」という。そのため、この治療する部屋は「冷凍室」と書かれている。日本語でいえば凍結室。
治療した直後は、すこしはれ上がった感じになっている。とにかく指先がジンジンして痛い。現在のところ日本でも中国でもウイルス性イボは液化窒素による治療がメインのようだ。
ウイルス性イボにイボコロリは使えるのか?
日本人にとってウオノメ(魚の目)、タコ、イボには「イボコロリ」という治療薬が頭に浮かぶだろう。この横山製薬が販売している「イボコロリ」とは、中国では鶏眼膏(ジーイエンガオ)と呼ばれて販売されているサリチル酸が配合されたモノ。
中国の国際クリニックの皮膚科の医師によると、ウイルス性イボにサリチル酸が配合された皮膚をやわらかくする薬を使うと傷口がひろがってイボが拡散してしまう。ウイルス性イボの疑いがあれば、皮膚科のある病院で診察してもらうことをおススメする。ニチバンという会社が販売しているスピール膏も同様だ。
3.治療した後
治療してから2日後
治療してから2日ほど経つと、皮膚がかたくなってくる。とにかく指先が気になってしまう。
治療してから5日後
治療してから5日目になると指先が黒く変色してくる。血液が固まって赤黒くなるようだが、赤黒いというより黒にきわめて近い。このような状態になると、指先をみた人から黒い指先の理由を聞かれるので、あまり指先をほかの人に見られたくない。
治療してから7日後
治療してから7日たつと、より一層指先が黒くなる。人差し指にもウイルス性イボがあり治療したが、人差し指のようには黒くならない。ちなみに、看護師によると人差し指のウイルス性イボはけっこう大きかったようだ。
治療してから11日後
ウイルス性イボを液化窒素で治療してから11日たつと、血液がかたまったカサブタの状態の皮膚がはがれ落ちた。指先を見てみると、まだ黒い点々が残っている。一回では完治できておらず、また液化窒素で治療しないといけないようだ。
足裏は凍結治療を行うまえ、中国版のイボコロリを使用して治療したため拡散してしまった。やはり、カラダの異常は専門医に診てもらうのが重要だ。(了)