上海市の病院で「ウイルス性いぼ」の液体窒素治療
中国で「ウイルス性いぼ」とよばれる皮膚病の治療のために上海市内にある国際クリニックに。中国の日本人が比較的おおい都市であれば、日本人をターゲットとした国際クリニックが展開されていることが多い。ローカル医院よりも快適だ。
1.ウイルス性いぼの発症
ウオノメ(魚の目)ではない
歩いていると足の裏が痛い。歩き方がよくないのか、むかしから足の裏の皮が厚くなっている。ウオノメ(魚の目)も悪化すると神経を刺激して痛くなるとインターネットに書かれているので上海市内にある日本人が利用する国際クリニックで治療することに。
- ウオノメ(魚の目)
- ウオノメは鶏眼(けいがん)とも呼ばれている。日本語だけでなく中国語でも鶏眼(鸡眼、ジーイエン)という。
国際クリニックの皮膚科の医師に診察してもらうと、足の裏をみた1秒後に「これはウオノメではないよ。ハハハ」とのコメント。「これはウイルス性イボだよ。軽い手術みたいのが必要になる」と続けてコメント。
一箇所だけではないウイルス性いぼ
右足にも同じような症状だったので診てもらうと、「これもウイルス性イボだね。ハハハ」との診断結果。今年80歳になる中国人医師は瞬時に病状を判断できるようだ。普通は部位の一部をとってウイルスの有無を調べたりするのでは?
じつは指先にも?!
右手の指先の皮膚がカサカサしているところを診てもらうと、「これもウイルス性イボだね。ハハハ」との診察判断。「いぼ」というとボコボコと突起したような形をイメージしていたけど、ウイルス性イボはカサカサしたような皮膚の状態。
ウイルス性イボが発症した原因は?
ウイルス性イボは小さな傷口から感染するようだ。指先や足裏などの小さなキズからウイルスが入ってきて感染する。ただし、入浴やプールなどの普通の生活活動では他人に伝染しないが、自分のカラダの違う部位には転移するようだ。
まだウイルス性イボについては、わかっていないことも多いようで「◯◯と考えられてる」「◯◯と思われる」というインターネット上の医師のコメントが多い。
2.上海交通大学の附属病院、瑞金医院
中国の病院等級(ランク)2番の瑞金医院
国際クリニックの皮膚科の医師によると、ウイルス性イボは液体窒素(マイナス193度)をつかって治療部位を低温ヤケドさせて治療する方法。この国際クリニックは液体窒素による治療ができないので、この医院の近くにある上海交通大学の附属病院である瑞金医院で治療することになった。
中国の病院は「医院分級管理弁法」(1983年施行)によって各病院は等級(ランク)が付けられている。一級(低い)から三級(高い)まであり、その級別のなかに甲乙丙の3ランクが設定されている。三級にはさらに「特等」というランクが設定されている。中国のすべての病院は10ランクに分かれている。
この瑞金医院は上から2番目の三級甲等医院に属する病院。中国ではこの等級(ランク)によって医療費にも違いが発生する。
液化窒素の治療室は「冷凍室」
液化窒素の治療は「冷凍室」という場所でおこなわれる。国際クリニックの80歳の医師は「液化窒素の治療はけっこう痛いよ。ハハハ」とのコメント。ちなみに、中国では医師を「医生(イーション)」または「大夫(ダイフ)」と呼ぶのが一般的。
もし苗字がわかる場合は「劉医生」や「劉大夫」と呼んでもいい。中国でも学校の先生だけでなく、尊敬する意味をこめて「老師(ラオシ)」と呼ぶことがあるが、中国人の知人によると医師を「老師」と呼ぶことには違和感があるようだ。
3.液体窒素の治療はイタイ!
この治療はかなり痛い
はじめてのマイナス193度の液体窒素での治療。これはきわめて痛い。とくに皮膚が薄い指先は激痛が走る。中国の看護師はまったく手加減がない。
両脚を治療すると歩きづらい
今回は足裏(両脚)と指先(右手)の合計4箇所の治療。治療が終わって帰るとき、足裏が痛くて変な歩き方になってしまう。右手の人差し指と中指を治療し、その日はパソコンのキーボードが痛くて叩けない。
この液化窒素によるウイルス性イボの治療は、一回ではなかなか治癒しないらしい。一ヶ月後にもう一度来るようにとのこと。ウオノメと思っていると、ウイルス性イボかもしれないのでご注意を!(了)