中国の生活、ビジネスに役立つ情報を発信するサイト

上海ではじめて知った、海外旅行保険で通院の交通費精算

中国にかぎらず海外生活に必須の海外旅行保険。この保険に加入していないと、中国の病院で安心して治療をうけることができない。北京や上海などの大都市であれば日本人向けの国際クリニックもあり、手厚い診療をうけることができる。

1.海外旅行保険で通院時のタクシー代の精算

海外旅行保険の利用から13年目ではじめて知った交通費精算

20歳のときにオーストラリアにワーキングホリデーに行ってから、これまで13年ほど海外旅行保険を利用してきた。中国の上海市内の日本人を専用にしている国際クリニックではじめて知ったのだが、一般的な海外旅行保険であれば通院時に利用したタクシーなどの交通費を精算することができる。

この国際クリニックはあとで保険会社に請求しているようで、なんと病院に到着してレシートを出すと、その場で現金で交通費を手渡してくれる。苦労して公共バスを乗りついで病院まで行く必要はなかったのだ。しかも、診察が終わって帰宅する交通費も精算できてしまう。この帰宅時の交通費は、後日精算することになる。

(写真1)東京海上日動の海外旅行保険ハンドブック

(写真1)東京海上日動の海外旅行保険ハンドブック

交通費の精算にはレシート(領収書)が必要!

タイのチェンマイで副鼻腔炎にかかって入院したとき、タクシーではなくトゥクトゥクに乗って病院までたどり着いた。振りかえってみると、トゥクトゥクでは領収書がでないので正規のタクシーに乗ったほうが費用面でいいだろう。しかも、タクシーのほうが安全だ。

中国の広東省の地方都市にいるときは、病院までタクシーで通っていたが、だれも海外旅行保険で通院にかかる交通費が精算できることを教えてくれず自分で費用負担していた。

海外旅行保険にも色々あるので、自分が加入している保険の約款(契約内容)をしっかり確認してみよう。クレジットカードの海外旅行保険でも交通費の精算できるものもある。

いま保有している三井住友VISAカードのANA VISA SUICAカードの契約内容を見てみると、次のように記載されており「2.治療のために必要となった通訳雇入費用、交通費」と記載されており交通費を精算することができる。

下記の費用で実際に支払われた治療費等のうち社会通念上妥当と認められる金額。

  1. 医師・病院に支払った診療・入院関係の費用。(緊急移送費・病院が利用できない場合や医師の指示で静養する場合の宿泊施設客室料などを含みます。)
  2. 治療のために必要となった通訳雇入費用、交通費。
  3. 義手、義足の修理費。
  4. 入院のために必要となったa.国際電話料等通信費、b.身の回り品購入費(1回のケガにつき、bについては5万円、aとb合計で20万円を限度とします。)
  5. 旅行行程離脱後、当初の旅行行程に復帰または直接帰国するために必要な交通費、宿泊費。(払戻しを受けた金額や負担することを予定していた金額は差し引きます。)
  6. 保険金請求のために必要な医師の診断書費用。

(出所)「ANAカード旅行傷害保険のご案内」より

2.上海市内の病院で使用

タクシー代の50元(約830円)を精算

2014年5月に上海にきてから、足裏と指先にウイルス性イボというウオノメ(魚の目)に似た皮膚病が発症している。その治療のために通っている上海市内にある国際クリニックで毎回、タクシー代を精算している。

ウオノメ
ウオノメは鶏眼(けいがん)とも呼ばれている。日本語だけでなく中国語でも鶏眼(鸡眼、ジーイエン)という。

実際に治療するのは瑞金医院という三級甲等とよばれるランクの病院。中国では上から2番目の病院ランク(病院等級)にあたる病院。

中国の病院ランク
中国は「医院分級管理弁法」(1983年施行)により各病院の等級(ランク)を決めている。一級(低い)から三級(高い)まであり、その級別のなかに甲乙丙の3ランクが設定されている。三級にはさらに「特等」というランクがある。中国のすべての病院はこれら10ランクに所属している。
(写真2)上海市内中心部にある瑞金医院(三級甲等)

(写真2)上海市内中心部にある瑞金医院(三級甲等)

海外旅行保険の取り扱いになれた病院やクリニックであれば、被保険者である我々にかわって交通費を精算してくれるだろう。中国であれば人民病院のような一般的な病院で治療した場合、医療費はキャッシュレスで対応できるだろうが、交通費の精算は自分で保険会社に申請しなければならないかもしれない。(了)

top of page