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浙江省温州市の靴・シューズの卸売市場はどこにあるのか?

中国のなかで靴・シューズの街として有名な浙江省の温州市。中国と商売をしている日本人のなかには温州市という街の名前を聞くことも少なくないだろう。温州市は、広州市(広東省)、泉州市(福建省)に並ぶ靴の生産地として有名だ。

1.浙江省の温州市

北京や上海などの大都市より経済発展がずいぶん遅れている!

上海市から中国高速鉄道(日本の新幹線に相当)で約4時間半のところに位置する浙江省温州市(Wenzhou)。この温州市はときどき都市の名前を耳にすることはあるものの、いったいどのような街の様子や雰囲気なのだろうか?日本人のなかで実際、温州市を訪れたことがある人はそれほど多くないだろう。

温州人は中国のなかでも商売に長けていて、海外で生活する温州出身の華僑も多いと言われている。いっぽう、お金持ちが多い都市というイメージをもって温州市を訪れてみると、いまだ発展しきれていない中国の地方都市のひとつという街の様子で、北京、上海、広州などの先進的な雰囲気がある大都市とくらべると、10年以上は発展が遅れている雰囲気だ。

(写真1)温州市内には築20年以上の建物が多い、高層ビルは少ない(温州市内)

(写真1)温州市内には築20年以上の建物が多い、高層ビルは少ない(温州市内)

浙江省の温州市とは?
温州市は、浙江省の三大都市(杭州市、寧波市、温州市)のひとつ。総人口は919万人(2013年末)。中国のなかで商才に長けた温州人は「中国のユダヤ人」とも呼ばれる。世界各地に温州出身の華僑も多いと言われている。温州市内は大都会というわけでなく、中国の地方都市という雰囲気。上海から温州まで高速鉄道(新幹線に相当)で約4時間半。

改革開放政策により経済発展が進められた都市

温州市は1984年に経済技術開発区という海外技術を導入するためのモデル都市のひとつに指定されている。この経済技術開発区は、1978年12月からスタートした中国の改革開放政策として導入されたもの。現在、温州市はアパレル、靴(シューズ)などの製造・販売で有名な都市になっている。日系企業の温州市への進出はほとんど耳にしないものの、温州市で工場を運営する韓国企業は少なくない。

(写真2)温州市は靴(シューズ)の製造販売で有名(温州鞋城)

(写真2)温州市は靴(シューズ)の製造販売で有名(温州鞋城)

中国の改革開放政策とは?
中国の改革開放政策は、1978年12月の中国共産党第11回中央委員会第三次全体会議(第11回三中全会)で決定された経済政策。農業では農地請負による市場経済化で成功。対外開放政策では、深セン、珠海、厦門、スワトウを経済特区として外資企業に開放した。

2.温州鞋城の様子

温州市は靴(シューズ)やアパレル製品の製造販売で有名!

温州市中心部にある人民西路という大通りには、温州市の靴(シューズ)の卸売で有名な温州鞋城がある。この温州鞋城の面積は約3,000㎡で、150店舗ほどが出店している。工場直営の販売店も少なくない。中国の鞋産業は広州市(広東省)、泉州市(福建省)、そして温州市(浙江省)の3都市が有名だ。

(写真3)紳士靴から女性用のブーツまでいろいろな靴が販売されている(温州鞋城)

(写真3)紳士靴から女性用のブーツまでいろいろな靴が販売されている(温州鞋城)

紳士靴から女性用のロングブーツまで何でもある!

この温州鞋城には紳士靴から女性用のロングブーツまでシューズに関しては何でもそろっている。ただし、この温州鞋城で販売されているのは完成品のシューズのみ。靴の材料となる革、金具、ソールなどの購入を検討している場合は、市内中心部からタクシーで10分ほどのところにある「温州商貿城」という市場に向かうと良いだろう。

(写真4)「温州鞋城」で販売されているのは完成品のシューズのみ

(写真4)「温州鞋城」で販売されているのは完成品のシューズのみ

たくさんの工場直販店が出店している

ここに出店している販売店は工場直営の店舗ばかり。温州市内にはたくさんの靴工場がある。これらの靴工場の多くは「温州鞋城」に販売代理店として出店している。温州市に靴の買付けに来ている場合は、製造している工場を見せてもらうと良いだろう。

(写真5)中国で販売されている多くの靴はMade in Wenzhou(温州製)

(写真5)中国で販売されている多くの靴はMade in Wenzhou(温州製)

日本人のなかでも中国に注目している人は温州市という都市名を耳にすることがあるだろう。ただ、実際に温州市を訪れる日本人はあまり多くない。まして、温州市に生活している日本人はほとんどいないだろう。そのような街だからこそ、新しい商品や発見が見つかるかもしれない。(了)

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