中国の生活、ビジネスに役立つ情報を発信するサイト

最高時速430kmの上海リニアモーターカー、空港まで8分!

2003年に商業運行がスタートした最高時速430kmで走行する上海リニアモーターカー。上海浦東空港から30km離れた竜陽路駅(上海市浦東新区)までしか走行していないので、上海に住んでいる人も乗車したことのない人も少なくない。

1.上海リニアモーターカー

約30kmの距離を8分間で移動!

上海新国際博覧中心(上海市浦東新区)からそれほど遠くないところに上海リニアモーターカーの発着駅である磁浮竜陽路駅がある。ここから上海浦東国際空港行のリニアモーターカーに乗車すると約30kmの距離をわずか8分間で移動することになる。すでに上海リニアモーターカーが運行されるようになった2003年1月から10年以上が過ぎているが、けっして陳腐化したものではない。新鮮な体験になるだろう。

時速430kmで運行する便は限られている!

リニアの運行時の最高速度は時速430kmと言われているが、9時~10時45分と15時~15時45分の時間帯をのぞいて、最高時速は300kmと決められている。どうしても時速430kmの速度を体験したい人は、時速430kmで走行されている限定された時間に乗車する必要がある。ただ時速300kmの速度でもかなり速く、日本の新幹線(時速200km)を大幅に上回っている。まるで飛行機が離陸するときに座席シートに体が引きつけられるような感覚を経験するだろう。

(写真1)プラットホームで乗車待ちをする人たち

(写真1)プラットホームで乗車待ちをする人たち

上海リニアモーターカー
上海リニアモーターカーは、上海トランスピッドや上海マグレブとも呼ばれる磁気浮上式鉄道。ドイツ企業の技術が導入されている。2003年1月4日に正式に商業運転スタート。最高時速は430km。磁浮竜陽路駅から磁浮機場駅までの約30kmを8分間で走行する。片道50元(約1,000円)。

2.上海リニアモーターカーの乗車券

上海交通カードを利用すると20%引き!

上海リニアモーターカーの乗車料金は片道50元(約1,000円)。上海市内で利用できる上海交通カード(非接触型ICカード)を利用すると、20%割引の片道40元(約800円)で乗車することができる。そのほかにも当日利用する航空券があれば片道40元と割引料金で乗車可能。もしくは30回分の回数券(販売価格900元)を購入すると1回あたり30元で乗車可能だ。

上海リニアモーターカーは15分~20分に1本の頻度で運行している。竜陽路駅から発車する便は朝6時45分~夜21:40まで運行していて、上海浦東国際空港から発車する便は朝7時2分~夜22時40分まで運行している。地下鉄が終わってしまったときは、上海リニアモーターカーに乗車して、できるだけ上海市内中心部まで移動するのも利用方法のひとつ。

(写真2)上海リニアモーターカーの乗車券の販売窓口(磁浮竜陽路駅)

(写真2)上海リニアモーターカーの乗車券の販売窓口(磁浮竜陽路駅)

リニアが到着するまでプラットホームに入れない

浦東新区の磁浮竜陽路駅から上海リニアモーターカーに乗車するときは、列車が到着するまではプラットホームにあがることはできない。プラットホームにあがるためのエスカレーターは列車が到着してからオープンされる仕組みだ。

(写真3)磁浮竜陽路駅の改札口でリニアモーターカーの到着を待つ人たち

(写真3)磁浮竜陽路駅の改札口でリニアモーターカーの到着を待つ人たち

3.リニアモーターカーの車内

ガラガラの車内、利用者は多くない!

上海リニアモーターカーの利用者はそれほど多くない。発着駅である磁浮竜陽路駅に隣接している地下鉄・竜陽路駅は16号、7号、2号線に接続しているものの、その竜陽路駅に来るまでに数回ほど乗り継ぎをしないといけない場合が多く、それほど利用されていないという印象だ。

上海市内から空港までのリムジンバスの料金が20元(約400円)ほどであるため、リニアモーターカーの片道40元~50元(約800円~1,000円)は割高と思われているのも集客不足の理由のひとつ。一度はリニアモーターカーを体感してみたいと思う人は少なくないものの、それ以降は自分にとって、より便利な移動手段で空港に向かいたいと考える人は少なくないはずだ。

(写真4)上海リニアモーターカーの乗客はそれほど多くない

(写真4)上海リニアモーターカーの乗客はそれほど多くない

リニアモーターカーの大型荷物の一時保管場所

上海リニアモーターカーの列車内には大型荷物専用の置き場が用意されている。かなり運行スピードが出るので、大型荷物は座席ちかくに置いておくよりも荷物置き場に入れておいたほうが安全だ。利用者が少ないので、置き場に困ることはないだろう。

(写真5)上海リニアモーターカーの大型荷物置き場、利用者は少ない

(写真5)上海リニアモーターカーの大型荷物置き場、利用者は少ない

運行速度は時速300km!時速430kmで運行するのは一部のみ!

上海リニアモーターカーは時速430kmで運行すると言われているが、すべての列車便で時速430kmのスピードを出すわけではない。1日のうち、9時~10時45分と15時~15時45分の限定された時間帯に運行している便だけ最高時速430kmで走行する。

(写真6)昼12時すぎの列車は最高時速301km、それでも速い

(写真6)昼12時すぎの列車は最高時速301km、それでも速い

上海浦東国際空港までの移動方法は、タクシー、地下鉄、空港リムジンバスが一般的であるが、目的地を考えて上海リニアモーターカーに乗車してもよいだろう。とくに、上海新国際博覧中心(上海市浦東新区)の見本市やイベントに参加する場合は、リニアモーターカーの乗車がもっとも便利。それ以外の地区を訪れた人も、せっかくの機会なので一度は乗車することをおススメしたい。(了)

top of page