ピザ専門のPAPAJOHN’S(棒!約翰)、ピザハットに勝てるか?
日本には出店していない世界3大ピザチェーンのPAPAJOHN’S。中国にはすでに170店舗ほど出店ずみ。ただ、中国でもそれほど知名度が高くないPAPAJOHN’S。中国国内でバツグンの知名度と人気をほこるピザハットに立ち向かえるだろうか?
1.中国で170店舗展開のPAPAJOHN’S
中国で圧倒的人気のピザハットに勝てるか?
中国の大都市を中心に見かけることが増えてきたPAPAJOHN’S(中国名「棒!約翰」)。日本にPAPAJOHN’Sが進出していないため、日本人のあいだでそれほど知名度は高くないものの、PAPAJOHN’Sは世界3大ピザチェーン店のひとつ。ピザハット、ドミノピザにならぶピザ屋さんの重鎮だ。PAPAJOHN’Sは中国本土で約170店舗ほど展開している。
いっぽう、中国で圧倒的な強さと人気をほこるのは日本でも知名度の高いピザハット(中国名「必勝客」)。ピザハットは1990年に中国に進出し、すでに800店舗以上を展開している。中国でピザハットが強い最も大きな理由は、ケンタッキー・フライドチキン(KFC)の親会社であるヤム・ブランズ(百勝集団)がピザハットを運営しているが関係しているはずだ。
ヤム・ブランズ(百勝集団)には、中国人の「食」に対する好みやマーケティングなどのノウハウが蓄積されている。中国で生活する消費者の目線で考えても、いまのところピザハットのほうがPAPAJOHN’Sよりも中国では魅力的にみえる。
レストランの内装デザインからメニューまで、高級感があり「たまには贅沢したい」という中国人ファミリーの消費者ニーズをつかんでいる(中国のピザハットは宅配よりも、レストランのほうが一般的)。
2.PAPAJOHN’Sは高い?
日本円換算で1500円以上のピザ、中国顧客に受け入れられる?
PAPAJOHN’Sのメニューをみると、けっして安いわけではない。ピザ1枚あたり80元~130元(約1300円~2000円)というお値段。価格面で考えると、低価格イタリアンレストランというポジションを中国で築いているサイゼリヤには勝てない。PAPAJOHN’Sのピザはピザハットよりも少し高いくらいだ。
ピザ以外のメニューも!中国人のニーズはつかめるか?
中国人の消費者ニーズをつかむのは簡単ではない。ピザハットもピザだけを提供しているのではなく、豊富なサイドメニューを提供している。PAPAJOHN’Sも同じようにピザ専門店であっても、ほかのサイドメニューを欠かすことはできない。
上海、蘇州を中心に展開している牛丼チェーン店のすき家も、ラーメンまで提供している。牛丼やカレーだけ提供していても集客できないほど顧客のニーズは多様化している。
3.PAPAJOHN’Sで注文した結果
ドリアとイカの揚げ物!
けっきょく、PAPAJOHN’Sのピザの値段が高かったのでドリアとイカの揚げ物を注文。あとで気づいたが、PAPAJOHN’Sの得意料理はピザ。ドリアなどのサイドメニューはまだまだ料理の磨きが足りなかった。
あまり熱くないポタージュ!
スープとしてポタージュを注文したものの、熱くないという致命的な問題が。味は一般的なポタージュだ。
中国では難しいポジショニング!
正直に言うと、PAPAJOHN’Sにはあまりお客さんがいなかった。蘇州市内のあるショッピングモールに入居している店舗だが、PAPAJOHN’Sの向かいにはピザハットが出店しているという厳しい場所だ。そのピザハットに入れなかったお客さんがPAPAJOHN’Sに流れてくるという微妙な立地。
PAPAJOHN’Sは外資系のレストランというイメージが店名やロゴに出ているため、興味本位で店舗を訪れるケースは少なくない(たしかに、おいしそうな雰囲気はする)。ただし、来店したお客さんをつなぎ留めれるかは疑問符がつく。中国の外食業界は競争がはげしく、価格面で優位性のないPAPAJOHN’Sはどこまで勝負できるだろうか。(了)