中国でクローンタクシーという名前を聞いたことがあるだろうか？上海市では正規タクシーの見た目にそっくりなクローンタクシーがあふれている。このクローンタクシーは違法であり、トラブルが多発しているので乗車を避けたほうがよい。
１．偽タクシーがはびこる上海
毎年500台以上のクローンタクシーを摘発
中国にはクローンタクシーとよばれる正規タクシーの外観にそっくりな偽タクシーが走っている。とくに中国の経済大都市である上海ではクローンタクシーが多く、ここ最近では公安部門が摘発をすすめている。
上海市の公安部門によると、2011年から2013年で毎年500台をこえるクローンタクシーを摘発したと発表している。この中国のクローンタクシーはどのような問題をもっているのだろうか？
２．クローンタクシーの問題
クローンタクシーで注意すべきこと
上海のクローンタクシーでは次のことが問題だといわれている。（１）正規タクシーの運転手より安全意識が低い（２）目的地へ遠回りする（３）上海で流通している公共交通カードが使えず現金払いしかできない（４）公共交通カードのチャージされている残高をだまし取る（５）偽物の領収書（発票）。
タクシーに乗車したとき、運転手がチャージ式のICカードである公共交通カードを使えないと言ってきた場合、クローンタクシーである可能性はかなり高い。このような違法なタクシーに乗るとトラブルが起こりやすいので避けたほうがいいだろう。
正規タクシーで公共交通カードが使えない場合は？
上海の正規タクシーで公共交通カードが使えないことはあるのだろうか？上海市交通委員会という政府機関がルールを定めており、上海市のタクシーはかならず公共交通カードなどのICカードを利用できるようにしなければならないことになっている。上海市内のタクシーで公共交通カードが使えない正規タクシーはないはずだ。
上海市タクシーメーター管理規定の第11条で次のように規定している。
- 乗客が上海公共交通カードまたはタクシー乗車カードを利用する場合、タクシーの運転手は利用を拒否してはならない。乗客が利用するカードのチャージ金額が乗車賃にたいして不足している場合、乗客は不足分を現金で支払わなければならない。
- ICカードの読取機または上海公共交通カードまたはタクシー乗車カードに故障が発生した場合、タクシー運転手は予備の乗車カードで読み取りの故障の有無を確認しなければならない。
- ICカードの読取機が故障していた場合、上海公共交通カードまたはタクシー乗車カードを利用した乗客は、メーター表示の金額から初乗り金額を差し引いた残りの乗車賃を支払えばよい。
- 上海公共交通カードまたはタクシー乗車カードが故障していた場合、乗客は現金で乗車賃を支払わなければならない。
公共交通カードが正規タクシーで使えないと特別割引！
乗車したあと、ICカードの読取機の故障により、公共交通カードなどのICカードが利用できない場合、初乗り運賃分の割引をうけることができる。たとえば、タクシー運賃が25元だった場合、ICカードの読取機の故障で公共交通カードが使えない場合、初乗り運賃14元を差し引いた11元だけ負担すればよいことになっている。
上海の現在の初乗り運賃は、AM5時からPM23時まで14元（約230円）、それ以外の時間帯は18元（約300円）となっている。（了）
