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中国の賃貸マンション、付帯設備の故障は大家負担か?

中国の賃貸マンションの付帯設備がこわれたら、その修理費用はだれが負担するのだろうか?日本では民法606条で付帯設備の自然な破損は大家が修理することになっている。中国も合同法(契約法)第221条で大家負担となっている。

1.シャワーから水漏れ

蛇口の水がとまらない!?

現在の上海市内の賃貸マンションに入居してから2ヶ月。浴室のシャワーの蛇口からポトポトと水が流れてとまらない。写真にあるとおり、しずくがたれるというよりも、蛇口がしっかり閉まらないといったほうがよいかもしれない。

(写真1)シャワーの蛇口、レバーの根っこのところから水が止まらない

(写真1)シャワーの蛇口、レバーの根っこのところから水が止まらない

中国の水回り設備は、日本と比べるとかなり品質が低い。中国で生活する多くの日本人は、さまざまなトラブルに悩まされてきただろう。中国で生活していると、台所、トイレ、浴室の色々なところで水漏れを経験する。広東省で生活していたとき、台所の下に設置されていた水道管から大量の水漏れが発生した。

中国の生活で覚えておいた方がよいことのひとつに、部屋の水道の水は、どうやって止めることができるか把握しておくことだ。最悪、水道管が破裂したときにも、とにかく水道の元栓を閉めれば事態の悪化をふせぐことができる。

2.水回りの水漏れや便器の詰まりの対応は?

修理工はどうやって呼ぶのか?

中国で水回りの修理工をどうやって探すのか?基本的な方法は2つある。ひとつ目は、居住しているマンションの管理事務所(中国では物業管理処と呼ばれることが多い)に依頼する方法。ただし、週末は休みのところが多い。

もうひとつは、外部の修理工に依頼する方法。自宅のマンションをサービス範囲にしている修理工は、自宅の郵便ポストに連絡先をかいた名刺を投函していることが多い。

今回は外部の修理工に依頼した。名刺にある電話番号に連絡すると、電話にでた年配の男性は、自宅の現状を見にきてくれるという。約2時間後、修理工の袁さん(50歳くらい、男性)が自宅まできてくれた。

袁さんはシャワーの蛇口をみると「これは蛇口が壊れているから取り替えが必要。シャワー用の大きな蛇口は200元(約3,300円)くらい。修理のサービス費用は20元(約330円)」と即座に説明してくれた。

(写真2)修理時間は10分くらい、購入した蛇口に付け替えるだけ

(写真2)修理時間は10分くらい、購入した蛇口に付け替えるだけ

付帯設備の修理の前に物件オーナー(大家)への説明は必要

中国で賃貸しているマンションの付帯設備を修理する場合、物件オーナーである大家が修理費用を負担するのが一般的である。中国で賃貸契約をするとき、部屋の設備に水漏れやトイレの詰まりが発生した場合、どのような対応をすれば良いか物件オーナーに確認しておいたほうがよい。

現在の上海の賃貸マンションは、大家と入居者のどちらが付帯設備の修理費を負担するのか?修理工から解決方法と費用を説明してもらった後、物件オーナーの肖さん(66歳)に電話することになった。

修理工から物件オーナーに状況を説明してもらい、物件オーナーの肖さんに約200元を超える修理費用の負担を納得してもらった。肖さんは、今回の費用は私が立替払いして次回の家賃から差し引くことを快諾してくれた。

賃貸契約書を見ると・・・?

日本の民法では、賃貸マンションの付帯設備の自然な劣化で発生した修理費用は大家が負担することになっている。もちろん、入居者があやまって付帯設備を壊したばあいは入居者が負担しなければならない。

中国の合同法(契約法)の第221条は、賃貸期間で発生した修理費用は貸出人(大家)が負担すると明記している。中国には住宅の賃貸に関する商品房屋租賃管理弁法(2011年2月施行)という法律がある。また、上海市には2011年10月に施行された住宅賃貸に関する法律もある。これらの法律によると、賃貸契約書に修理の責任(つまり費用負担)を明記することになっている。

現在の上海の賃貸マンションの契約書をみると?契約書のひな形(サンプル)にある修理負担の箇所は手書きで修正されており、なんと修理費用はすべて入居者が負担すると記載されている。これは中国の合同法(契約法)に反しているのではないか?大家の肖さんと改めて相談しないといけない。

3.シャワー交換の費用

中国のシャワー交換費用

修理工の袁さんは、私が新しい蛇口を購入するか、袁さんが代理購買するか聞いてきた。具体的にどの種類を購入すれば良いかわからないので、袁さんに任せたところ、30分後に220元(約3,600円)の蛇口を購入してきた。

新しい蛇口本体の220元に修理のサービス費用20元を加えた合計240元が修理費用だ。日本人としては、蛇口の購入代が本当に220元だったか気になってしまう。袁さんが馴染みの販売店から安く購入して、領収書(手書き)だけ220元にしていないだろうか。だが、不慣れな外国で200元前後に納得できれば、修理工に任せてしまったほうがスムーズにトラブルを解決できる。

(写真3)新しいシャワーの蛇口、日本で蛇口を交換する機会はほとんどない

(写真3)新しいシャワーの蛇口、日本で蛇口を交換する機会はほとんどない

日本での蛇口交換の費用

日本ではシャワーの蛇口はいくらで販売されているのか?価格.COMで調べたところ、安いもので8,500円、高いものだと1万円以上する。水道の蛇口の修理を紹介している「蛇口修理ガイド」というウェブサイトによると、出張料2,500円と技術料4,500円(修理対象により異なる)の7,000円に消費税を加えた7,560円(消費税8%込み)を一例として紹介している。

日本でシャワーの蛇口を修理する場合、蛇口本体(8,500円以上)とサービス費(7,560円)が発生し、1万6千円くらいかかる。日本の交換費用と比べると、上海で発生した240元(約4,000円)はかなり安い。(了)

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