中国の淘宝(タオバオ)、顧客の評価に気をつかう出店者
中国のネット通販も日本と同じように出店者を評価する制度がある。中国のネット通販の出店者にとって、顧客からの高い評価はどれほど重要なのだろうか。これまでの利用経験から考えると、出店者は日本以上に評価を重視しているようだ。
1.淘宝でビニールのテーブルクロス購入
テーブルの表面保護にビニールのクロス
上海の作業テーブルに表面保護のためにビニールのテーブルクロス購入を決定。去年12月から今年4月末まで利用していたコワーキングスペースのコモンルーム中津(大阪市北区)では、汚れ防止と無垢材(自然の木そのものを使ったもの)の表面保護のために共有デスクにビニールのテーブルクロスをしいている。これがなかなかイイ。
上海で滞在をはじめてから縦1メートル、横2メートルのおおきな作業テーブルを購入。この作業テーブルは食卓テーブルとしても利用しており、事務用のみで利用しているよりも汚れやすい。ビニールのクロスをしいておけば、表面が汚れてきたら交換すればいい。
淘宝でビニールのテーブルクロスを発見!
中国ネット通販の淘宝(タオバオ)でビニールクロスを探したところ、数多くの出店者が販売している。淘宝(タオバオ)は、個人が必要とする小物からおおきな工業用の設備まで販売している。数ある出店者の中から、過去の取引評価の高い出店者を選択。販売価格もたかくない。
サイズはオーダーメイドで指定も可能。淘宝(タオバオ)の利用に必須といわれるチャットソフトの阿里旺旺(アリ・ワンワン)で、出店者と具体的なサイズのやり取りをおこない、縦2メートル長、横1メートル長のオーダーメイドを110元(約1,800円)で注文。
自宅のちかくにあるフランス系の大型スーパーのカルフール(以下、補足)は、おなじサイズを200元(約3,300円)前後で販売している。
- カルフールとは?
- カルフール(Carrefour)は、中国では家楽福(ジャラフ)という名前で運営している。1995年に中国本土に進出。2013年末時点で中国73都市、236箇所で大型スーパーを展開している。中国での従業員数は6万人。
2.顧客の不満には返金で対応も!
長さが足りない・・・
注文してから2日後にテーブルカバーが到着。梱包されたビニールのクロスを開けて、テーブルの上に敷いてみると・・・・、横の長さが3センチ足りない。縦の長さは、きっちり1メートル。
淘宝(タオバオ)の出店者は評価を気にしている?
淘宝(タオバオ)で出店者にクレームするときも、チャットソフトの阿里旺旺(アリ・ワンワン)を活用する。販売店とのやり取りは次のとおり。
- 阿里旺旺(アリ・ワンワン)とは?
- 阿里旺旺(アリ・ワンワン)とは、淘宝(タオバオ)を運営するアリババ・グループのチャットソフト(通話アプリ)。淘宝や天猫 (Tmall)などのECサイトの販売主とのやり取りで使われている。モバイル版は旺信(ワン・シン)という名称。
<先方とのやり取り>
(前略)
当方:(とにかく腹が立っている)長さが3センチ足りないんだけど。
先方:すいません。3センチは誤差です。
当方:誤差って・・・・。どうしてくれるの?
(中略)
先方:すいません。真ん中に寄せれば、きれいに見えますよ。
当方:品質が良くないよ。長さは重要。だからオーダーメイドで頼んだのに。
先方:では、少し返金します。誠意を見せます。わざとじゃないんです。
当方:いくら返金してくれるの?
先方:8元、お金持ちになれる8(中国語の発財ファーサイと8の発音が似ている)。
(後略)
3.淘宝(タオバオ)の独特の評価制度
淘宝(タオバオ)の評価制度はどうなっているのか?
淘宝(タオバオ)の評価制度はどうなっているのだろうか?出店者と購入者の売買が完了した後に、相互に相手を評価する。日本のヤフーオークション(ヤフオク)と同じ相互評価の仕組みになっている。
淘宝(タオバオ)の評価ランクは3つある。好評(満足)、中評(普通)、差評(不満足)に分かれている。好評はプラス1点、中評はプラスマイナス0点、差評はマイナス1点。出店者は好評を重ねて、ネットショップの信頼度を向上させている。
評価ランクは重要!
ビニールのテーブルクロスの取引をおこなった出店者は「8元を返金するので好評(満足)をつけてくれないか?」と評価を向上させるために一生懸命。
インターネットショッピングモールである淘宝(タオバオ)は同業者の競争がはげしく、しかも同じような商品が溢れているため、出店者は少しでも集客にプラスとなるよう評価ランクの向上に力を入れている。
日本と違い「普通」評価はダメ!
以前、淘宝(タオバオ)をつかって340元(約5,600円)の洋服ダンスを購入。出店者の対応自体は良かったものの、よくあることだが、この洋服ダンス自体に満足できなかった。
商品が満足できなかったという意味で中評(普通)をつけたところ、出店者からものすごい勢いで「なぜ中評なんだ?不満があったら言えばいいのに!!」というコメントとこちらには差評(不満足)を付けられてしまった。
ポイントは好評率(満足率)
淘宝(タオバオ)の出店者は、なぜ中評(普通)を受け入れられないのだろうか?その理由は好評率(満足率)という指標があるからだ。これまでの評価全体のうち、好評を得た割合を示している。
購入者は淘宝(タオバオ)を利用するとき、出店者の好評率を参考にしている。出店者は好評率を意識してサービスを向上させているのも事実だろう。淘宝(タオバオ)のQ&Aによると、悪意をもった購入者が出店者にマイナス評価(差評)をつけると脅すトラブルや、身分を隠した同業者が購入者を装(よそお)ってマイナス評価をつける問題が発生しているようだ。(了)