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中国の株式市場、わかりにくいA株やB株を理解する!

日本人には外国人に完全にオープンにされていない中国株式市場はかなり遠い存在です。そのような中国株式市場が2014年11月より外国人でも香港経由でA株式の取引が可能になりました。そもそも中国のA株とB株の違いは何でしょうか?

1.中国の株式市場

A株とB株の違いは?

日本人のなかで中国の株式市場に明るい人はそれほどいないでしょう。ときどきニュースで中国のA株やB株という言葉が出てくるものの、その違いや意味することが理解できている人はなかなかいないでしょう。中国株のA株やB株とは、いったいどのようなものでしょうか?

中国のA株とは、上海証券取引所や深セン証券取引所に上場している中国本土の投資家が取引できる株式です。A株の正式名称は人民元普通株券で、人民元建てで取引されています。2013年4月からは香港、マカオ、台湾の人も中国本土のA株口座を開設することができるようになりましたが、それ以外の外国人は口座開設できません。

外貨で取引されるB株とは?

もうひとつのB株とは、上海証券取引所や深セン証券取引所に上場している外貨建ての株式です。中国本土や海外の人がB株口座を開設して取引することが可能です。このB株は外貨で取引されますが、株式市場では人民元建てで株価は表記されます。上海証券取引所では米ドルで取引され、深セン証券取引所では香港ドルで取引されています。

2.A株とB株はまったく規模が異なる!

圧倒的にA株の上場会社数が多い!

上海証券取引所に上場しているA株とB株の会社数をくらべてみると、圧倒的にA株のほうが多いのが現状です。2015年6月25日時点の上場会社数をみると、A株は1,052社でB株はたった53社です。あくまでもB株の位置づけは、A株市場に上場している会社が資金調達を多様化させるために外貨建てのB株も発行しているというものです。深セン証券取引所でも上場しているA株の会社数は1,684社に対して、B株はたった51社となっています。

もともと中国本土の投資家はB株を購入することができませんでしたが、2001年2月から中国本土の投資家にもB株市場は開放されています。同じ株式銘柄であれば基本的にA株とB株はほぼ同じ動きをします。

上海証券取引所と深セン証券取引所

中国本土には上海証券取引所と深セン証券取引所の2つの証券取引所があります。上海証券取引所は1990年12月19日に開業しています。深セン証券取引所は1991年7月3日に正式開業しています(設立は1991年2月1日)。どちらの証券取引所も前場(中国時間9:30~11:30)と後場(中国時間13:00~15:00)に取引が行われます。

上海証券取引所には1,063社が上場しており、その時価総額は36.3兆元(約726兆円)です(2015年6月25日時点)。深セン証券取引所には1,714社が上場していて、その時価総額は26.1兆元(約522兆円)となっています(2015年6月25日時点)。この2つの証券取引所に上場している企業の時価総額を合計すると62.4兆元(約1,248兆円)となり、東京証券取引所(1部)の605兆円の倍以上の規模になっています。

なお、上場企業数も中国(上海・深セン)の2,777社に対して、東京証券取引所(1部)は1,893社と約1千社ほど上場している企業数に違いがでています。

3.中国株のインデックス

上海証券総合指数とは?

日本には日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)などの株式市場の動向をあらわすインデックス(市況を数値化した指標)がありますが、中国にも同じようなインデックスがあります。

もっとも有名なものでは上海証券総合指数(上海総合指数)です。上海証券取引所に上場しているすべての銘柄の株価を加重平均して数値化したものです。1990年12月19日の数値を100ポイントとして表示しています。2015年6月25日時点の上海証券総合指数は4527ポイントですので、約45倍も時価総額が高くなっていることを表しています。

日経平均株価とは?
日経平均株価とは、東京証券取引所第1部(東証1部)に上場している中から225銘柄をピックアップし、ダウ平均株価の方式をもとにして計算された指数である。ポイントは225銘柄の企業が入れ替わっても、過去と比較できるように数値が調整されている点だ。

深セン証券総合指数とは?

深セン証券取引所では、深セン証券総合指数が中心的なインデックスになっています。こちらも上海証券総合指数と同じように、上場している全銘柄の株価を加重平均して数値化したものです。1991年4月3日の数値を100として、2015年6月25日時点では2716まで上昇しています。

いろいろある中国のインデックス

上海証券総合指数や深セン証券総合指数のほかにも、上海証券A株指数、上海証券B株指数、上海証券180、深セン成分指数などたくさんのインデックスがあります。まずは中国株の取引をはじめる前に、A株とB株の違いをおさえておき、インデックスの動きを見ながら最近の中国株の動向を知ることがスタートになります。日本では内藤証券や東洋証券で口座を開設して中国株を取引することが可能です。

2014年11月より香港経由で上海証券取引所や深セン証券取引所のA株を外国人である日本人でも取引可能になっています。これは香港証券取引所と上海証券取引所の相互取引プログラムで、1日あたり最大130億元(約2,600億円)、総額3,000億元(約6兆円)の限度額が設定されています。この相互取引プログラムは投機マネーが香港と上海を行き来することより「直通列車」とも言われています。中国株式市場がグローバル化する動きのひとつです。(了)

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