中国の生活、ビジネスに役立つ情報を発信するサイト

上海市金山区の東方商厦(百聯集団)、お好み焼き「花月」発見!

上海市といえば中国で流行の最先端をいく近代都市というイメージがあるだろう。その上海のなかでも市中心から専用鉄道で30分ほど南にいくと金山区という郊外がある。ここは日本人が上海市にもっているイメージとまったく異なる場所だ。

1.百聯集団の東方商厦

上海市金山区のラウンドマーク的な存在!

上海市郊外にある金山区。金山区は市中心の長寧区や静安区、徐匯区と異なり、金山区に長期滞在する日本人の数はかなり限られる。上海市にも経済発展が遅れた地区があり、まるで地方都市ではないかと錯覚してしまう街、それが金山区だ。

その金山区の中心地にそびえたつのはラウンドマーク的存在の東方商厦。東方商厦は高級百貨店で、上海市の大型国有企業の百聯集団の子会社だ。それほど人口が多くない金山区でも、この東方商厦にはかなり多くの地元住民が集まっている。

(写真1)上海市金山区のラウンドマーク的存在の東方商厦

(写真1)上海市金山区のラウンドマーク的存在の東方商厦

上海市金山区
上海市金山区は、上海市の西南部に位置する行政区画のひとつ。上海南駅から金山鉄路で約30分のところに位置する。金山区の総人口は約80万人。上海市中心にくらべて発展が遅れている。住宅価格は市内中心部の三分の一から半額くらい、1㎡あたり1万元~1.5万元(約20万円~30万円/㎡)(市内中心部は3~5万元)。

2.高級百貨店の東方商厦

フードエリアは人気も、ショッピングフロアは苦戦中!

中国の百貨店、ショッピングモールは現在、どこの都市でも勝ち組と負け組に分かれている。しかも、勝ち組に入っている百貨店、ショッピングモールが圧倒的に少ないのが現在の状況だ。上海市内では高島屋や大丸新世界などの日本企業も出資や経営支援している百貨店も苦戦している状況で、集客不足にともない空きテナントが埋めれないという悪循環まで発生している。

この東方商厦のフードコートはお客さんが集まっているものの、アパレル(衣類)を中心としたショッピングエリアにはあまりお客さんが入っていない。これらの状況は中国の景気減速という理由だけでなく、若者を中心に「買い物は出来るかぎりネット通販」という習慣が浸透してきていることが理由のひとつ。

(写真2)東方商厦の店内、開放感ある吹き抜けで施設自体は悪くない

(写真2)東方商厦の店内、開放感ある吹き抜けで施設自体は悪くない

実店舗がネット通販に価格面では勝てないという理由以外に、一般消費者に衝動買いを起こさせるような店づくり、雰囲気づくりを実店舗はできていないのが要因だ。とにかく、ウインドウショッピングして「買いたい」と顧客に感じてもらう仕組みが、各店舗だけでなくショッピングモールや百貨店では必要だ。

百聯集団とは?
百聯集団は、百貨店やスーパーを中心に事業を行う上海市拠点の大型国有企業。上海一百集団、華聯集団、友誼集団、物資集団が2003年に合併した巨大企業。聯華超市、華聯超市、世紀聯華、快客便利、東方商厦など小売り事業が有名。百聯集団傘下のいくつかの子会社は、上海証券取引所や香港証券取引所に上場している。

ユニクロ(UNIQLO)もネット通販に苦戦!?

ここ最近、中国のユニクロ(中国では優衣庫)も以前ほどは活気がない。ほかのアパレルショップとくらべるとお客さんは入っているものの、以前ほどの人気ぶりはなくなっている。これはユニクロだけでなく、ZARAやH&Mも同じような状況だ。

日本と中国のユニクロの客入りを見るかぎり、日本の店舗のほうが断然お客さんの入り具合は好調だ。ただし、中国のユニクロが展開しているネット通販は好調と報道されており、実店舗の客入り具合を大幅に上回るようなネット通販の伸びの可能性も否定できない。中国の消費者行動の変化が起こっている中で、ユニクロだけ実店舗で堅調というわけにもいかないだろう。

(写真3)東方商厦のユニクロ、それほどお客さんは多くない(上海市・金山区)

(写真3)東方商厦のユニクロ、それほどお客さんは多くない(上海市・金山区)

中国のUNIQLO(ユニクロ)
UNIQLO(ユニクロ)は2015年8月末時点、中国国内で387店舗を展開している(日本国内は841店舗)。中国語でユニクロは「優衣庫」という。中国のユニクロは、割安なアパレルショップというよりも、高品質を求める中間所得層がターゲットになっている。現在、為替レートや増値税(消費税に相当)を考慮すると、日本のユニクロのほうが同製品は安い。

日本人駐在員に人気絶大、お好み焼きの「花月」発見!

なんと、東方商厦3階にお好みや専門店の「花月」が新規オープン。上海市に長期滞在している日本人なら、一度は「花月」を訪れたことがあるはずだ。中国で日本のお好み焼きやタコ焼きが食べられる、数少ないお店のひとつ。

ちょうど、11月はオープンしたばかりで、プレオープン期間(11月7日~17日)は42%オフ(5.8折)だった。場所が少しわかりにくいという弱点はあるものの、中国人のお客さんもたくさん入っていた。

(写真4)上海を代表するお好み焼き・たこ焼き専門店の花月(上海市・金山区)

(写真4)上海を代表するお好み焼き・たこ焼き専門店の花月(上海市・金山区)

上海市の長寧区、静安区、徐匯区などの中心部は、上海市のなかでも、いち早く経済発展が進み、さらなる都市開発(商業施設の建設など)で街並みが一変するような余地は少ない状況だ。

いっぽう、金山区をはじめとする郊外区では、まだまだ都市開発や住宅建設が進んでいくと思われる。金山区も金山鉄路に乗れば、上海南駅まで約30分の距離に位置している。まずはベッドタウンとして発展していくが現実的ではないだろうか。(了)

top of page