上海市でアパートを借りたら賃貸契約の行政登記が必要!
中国で賃貸マンションを契約すると、行政機関に登録しなければなりません。もし登録をしていないと、大家さんだけでなく借り主も罰金を課されるリスクが生じてしまいます。中国の法律は複雑ですが、ポイントだけ理解しておきましょう。
1.とにかく法律が多い中国
いろいろな賃貸に関する法律
中国には法律や規定が本当にたくさんあります。中国で賃貸に関する代表的な法律といえば契約法(合同法)です。ほかにも城市房地産管理法、商品房屋租賃管理弁法などがあります。
もちろん、不動産仲介会社などで働いている人でなければ、このような法律や条例があるんだということを頭のどこかで引っかかる程度で理解しておけば大丈夫でしょう。
上海市居住房屋租賃管理弁法という規定
中国の上海市では地方政府が2000年に上海市房屋租賃条例という条例を施行しています。この条例は賃貸契約に関する基本的なことを網羅しています。しかし、これだけでは不十分と感じたのか、2011年10月から上海市居住房屋租賃管理弁法という規定も施行されています。
この2つの規定の名前は非常に似ていますが、別の法律になっています。この新しく2011年10月に施行された上海市居住房屋租賃管理弁法は賃貸契約に関してより細かく規定した内容になっています。
2.賃貸契約は登記が必要
中国では賃貸契約の登記が必要!
中国ではアパートを借りたときに賃貸契約を結びます。このように賃貸契約を締結することは日本と変わりませんが、中国では行政部門にその賃貸契約を登記しなければなりません。上海市では賃貸マンションが所在する不動産取引センター(房地産中心)に登記することになります。
上海市居住房屋租賃管理弁法の第13条では、賃貸契約を締結してから30日以内に登記しなければならないと規定しています。さらに、不動産仲介会社を通している場合は、その仲介会社が登記すると明記しています。おそらく、ほとんどの日本人の方は不動産仲介会社を通してアパート探しをしていると思いますので、この登記については大きな心配はいらないでしょう。
ちなみに、もし登記をしていなかったら賃貸人(家主)と賃借人(借り主)はそれぞれ最高で1,000元(約1万7千円)の罰金を課せられてしまいます。不動産仲介会社に対しては更に厳しく、最高3万元(約50万円)の罰金が課せられます。
大家さんは賃貸契約の登記をしたくない
中国の大家さんは賃貸契約の登記をしたがりません。その理由は税金を払いたくないからです。この賃貸契約の登記を行うと、地方税務局に賃貸契約という取引が発生していることがバレてしまいます。この登記をしてから税金を支払わなかったら、税金を督促する通知がくることもあるようです。
この不動産賃貸に関する税金は、税金の種類ごとに個別計算する徴収方法と一括して総合計算する徴収方法の2つの計算方法があります。賃貸契約には房産税(不動産税)、営業税、個人所得税など複数の税金が課せられます。
この税金は個別計算するよりも、総合計算したほうが税率が低くなることが一般的です。これらの税率は家賃✕税率で税金が計算されます。総合徴収の税率は、上海市5%、江蘇省5%(通知の第7条)、北京5%となっています。
上海市の不動産賃貸に関する税率は5%
江蘇省と北京市では5%の根拠となる規定がありますが、上海市では根拠となる法律はないものの、上海市浦東新区の税務局のホームページで5%と明記されています。この税金を納税していないと家賃の正式な領収書(税務発票)が入手できません。賃貸契約を締結するときに、この領収書の有無とその税金をどちらが負担するか確認しておく必要があります。(了)