中国の生活、ビジネスに役立つ情報を発信するサイト

中国SIMカード、日本で国際ローミングの利用条件は?

日本国内で中国で契約しているスマートフォンや携帯がうまく国際ローミングできなかったことはないだろうか?中国移動などのSIMカードを日本帰国中に利用するために、通信キャリアと通信端末についての2つのポイントに注意しよう。

1.中国SIMカードを日本で国際ローミングするには?

中国移動(チャイナモバイル)で国際ローミング申請

中国移動(チャイナモバイル)や中国聯通(チャイナユニコム)などの通信キャリアのSIMカードを日本で利用するとき、中国で国際ローミングの申請をしなければ日本で使えない。中国移動(広東)では、この手続をインターネット上でもできるし、もちろん中国移動のコールセンターである10086に電話しても手続き可能だ。

中国移動では国際ローミング申請に費用はかからない。以前は国際ローミングを利用するとき、開通手続きだけでなく、500元(約8,300円)以上の通話料金の前払いチャージが必要といわれていた(会社が契約している場合は不要のケースもある)。

今回、中国移動(広東)に問い合わせたところ、前払いチャージとしてデポジットの納付は不要との回答だった(2014年10月確認)。ただし、中国移動も地域によって事業会社が分かれているので自分が利用している地域の通信キャリアに念のために確認したほうがいいだろう。

日本人が多く住んでいる上海の中国移動(10086)のコールセンターには日本語対応の専用回線が用意されている。上海市内から10086に電話して、アナウンス案内にしたがって日本語オペレーターの番号を選択すると日本語専用回線につながるようになっている。

中国聯通(チャイナユニコム)で国際ローミング申請

中国聯通のユーザーが国際ローミングを申し込む場合、500元の前払いチャージが必要になる。この500元の前払いチャージはデポジットとして国際ローミング利用中は一時的に凍結されて使用できなくなってしまう。

実際に中国聯通のSIMカードをつかって国際ローミングを申請したところ、前払い通話料のうち500元分が凍結されてしまった。中国聯通のコールセンター(10010)に問い合わせたところ「国際ローミングを解約してから2ヶ月後に返還される仕組み」という回答。実際に2ヶ月後には500元分の通話料が利用できるようになっていた。

日本の通信規格にあった携帯端末を選ぶ

中国の通信キャリアで国際ローミングを開通(申込み)したのに日本で使えなかったという経験をした日本人は少なくないだろう。日本で利用するために、もう一つ必要なことは日本の通信規格に対応した通信端末(携帯やスマホ)を使用すること。

日本で使われているWCDMAの通信規格を利用できる携帯やスマートフォン(スマホ)端末でなければ日本では利用できないのだ。

(写真1)TD-SCDMAとGSMしかないサムスンとレノボの中国移動向けのスマホ

(写真1)TD-SCDMAとGSMしかないサムスンとレノボの中国移動向けのスマホ

中国モバイル通信キャリア最大手の中国移動を利用している人の端末はTD-SCDMA(第三世代、3G)とGSM(第二世代、2G)だけを備えているケースは少なくない。端末本体にWCDMAの通信機能が備わっていないのだ。

海外の多くの国ではGSMの通信機能があれば国際ローミングできるため、アジアで使えた通信端末が日本では利用できないというケースに遭遇することも起こりえる。基本的にWCDMAの通信規格を備えているのは、中国では中国聯通のSIMカードを利用するユーザー向けの端末。

中国移動向けの端末でも、たとえばAppleのiPhone5Cなどの高機能で高額なスマートフォンであれば中国移動と中国聯通の兼用版が中国で販売されている。利用できる通信規格もTD-SCDMAだけでなくWCDMAの通信機能もあるので、日本で国際ローミングすることができる。

(写真2)ノキア(NOKIA)301、中国移動SIMカードはNTTドコモの回線を利用

(写真2)ノキア(NOKIA)301、中国移動SIMカードはNTTドコモの回線を利用

中国移動のSIMカードを日本で国際ローミングさせると、NTTドコモの通信回線を利用することになる。国際ローミング中のノキアの携帯端末の画面には「NTT DOCOMO」と表示されている。

2.なぜ中国の携帯を国際ローミングするのか?

インターネットバンキングに必要なショートメッセージ(短信)

どうして日本で中国移動のSIMカードをわざわざ利用したいのか?中国のSIMカードを国際ローミングさせて日本で使う目的は、中国の携帯番号に届くショートメッセージ(中国語では短信、SMS)を日本国内で受信したいからだ。

中国で生活しているとインターネットバンキングの利用から、一部のウェブサイトのログインまで登録している携帯ショートメッセージに届くパスワードが必要になる。このショートメッセージが日本で見れないと、日本からは中国の銀行口座を利用した支払いなどができなくなってしまう。

ちなみに、日本で国際ローミングしているとき、中国移動のショートメッセージの受信には通信費はかからない。受信は無料。国際ローミングをしている日本から中国にショートメッセージ送信する場合、一通あたり0.69元(約11円)。国際ローミング時の通信料については、中国移動のホームページの国際ローミング料金に詳しく掲載されている。

(写真3)中国移動から送られてきた国際ローミング料金のショートメッセージ

(写真3)中国移動から送られてきた国際ローミング料金のショートメッセージ

3.国際ローミング用の携帯端末

おススメの携帯端末はNOKIAの301

中国の携帯番号に届くショートメッセージを日本で見る目的だけに限定して考えると、おススメの携帯端末はNOKIA(ノキア)301。2013年2月の発売。挿入可能なSIMカードの大きさは普通サイズ。SIMカードの挿入は1つのみ(单卡)でWiFi機能ない。操作性と電池の持続時間が長いのが大きなメリット。

デジタル製品を得意とするネット通販サイトの京東商城(JD.com)では販売されておらず、中国のAmazon(アマゾン)で購入。購入価格は399元(約6,600円)。このNOKIAの301には、もうすぐSIMカードを2つ挿入できるダブルカード版(双卡版)が発売される見込み。もちろんSIMロックはついていないため、日本で利用している通信キャリアのSIMカードも挿入して利用できる。

(写真4)日本で契約しているSoftbank(ソフトバンク)SIMカードも利用できる

(写真4)日本で契約しているSoftbank(ソフトバンク)SIMカードも利用できる

端末選びで注意すること

この国際ローミング用のセカンド用の通信端末を選ぶとき、ひとつだけ注意点がある。中国で利用している中国移動や中国電信、中国聯通のSIMカードの大きさが利用できるかどうか。

中国で利用しているスマートフォンが普通サイズのSIMカードであれば、国際ローミング用の端末も普通サイズを挿入できる端末を選ばなければならない。もちろん、日本でずっと利用するならサイズを変更しても問題ないが、日本出張中で一時的な利用であれば、同じサイズのほうがサイズ変更の手間がない。(了)

top of page