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中国の中古マンション購入、売買契結前に必須の「産調」とは!

中国で新築マンションではなく中古マンションを購入する場合、「産調」とよばれる確認作業をしておいたほうが良いでしょう。中国の住宅価格はけっして安くありません。高額な買い物を失敗しないように慎重に進めたほうが良いでしょう。

1.中古マンションに必要な「産調」

中国の「産調」とは?

中国には新築の分譲マンション(区分所有マンション)だけではなく、中古マンションもたくさん流通しています。新築の分譲マンションの場合は、そのマンション自体を建設した不動産開発会社と売買契約を締結することが一般的です。つまり、不動産開発会社から分譲マンションを購入する流れになります。

もうひとつの中古マンションの場合は、日本と同じように不動産仲介会社が仲介するケースもありますが、あくまでも個人のマンション物件のオーナーから直接購入することになります。気に入った中古マンションが見つかって、物件オーナーと売買価格で合意できたときには、中国では「産調(チャンディアオ)」と呼ばれる確認作業を行うことが一般的です。

この「産調」は、建物と土地使用権の所有権の確認をする「産権調査」のことです。この「産調」は、対象となる分譲マンションの地域を主管している不動産取引センター(房地産交易中心)で行うことができます。ちなみに、不動産取引センターは中国の公的な機関で、日本の不動産関係の権利登記を扱っている法務局のような役割を担っています。

2.中古マンションのリスク回避

なぜ「産調」が必要なのか?

では、どうして中古マンションの売買契約を締結する前に、「産調」が必要なのでしょうか。この「産調」をすることにより、その中古マンションが合法的に売買取引できるかどうか確認することができるからです。

そもそも、その中古マンションが不動産取引センターで不動産登記されていないと売買を行うことはできません。合法的に取得した新築マンションであれば、「城市房地産開発経営管理条例」の第33条に基づいて、引き渡しされてから90日以内に建物と土地使用権の不動産登記が行われているはずだからです。

また、中古マンションの売買を交渉している人が、ほんとうに不動産登記の所有者であるか確認する必要もありますし、不動産登記の共同名義人の存在の確認も必要です。さらに、その中古マンションは、差押えの有無や抵当権の設置なども確認しておく必要があります。差押え物件であれば、基本的に購入することはできません。

不動産登記証ではダメ?

中国で中古マンションを見学して気に入った物件であれば、物件オーナーからその中古マンションの不動産登記書類(房屋所有権証や土地使用権証など)を確認させてもらうことになります。ただし、これらの不動産登記書類だけでは、この中古マンションの「現在の状況」を確認することはできません。

あくまでも不動産登記書類は、所有権の証明書です。この中古マンションの差押えや抵当権などの有無を確認することはできません。中国では賃貸している人が、物件オーナーを装って偽造した不動産登記書類を使って詐欺を行うことも起こりえます。

3.どうすれば「産調」できる?

手続きの方法は?

この「産調」の手続きはとても簡単です。自分自身の身分証明書をもって、不動産取引センターで閲覧申込書を提出して、必要な不動産登記情報の閲覧を行います。上海市の不動産取引センターでは、1情報あたり5元(約100円)で情報を確認することができます。ひとつの不動産物件あたり最高20元(約400円)の手数料と定められています。

中国の中古マンションはけっして安くありません。上海市内の中心部では3LDK(建築面積100㎡)の間取りで5,000万円以上する物件がほとんどです。安心して取引できるようなケースであっても、念のため「産調」しておいたほうがよいでしょう。(了)

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