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中国の賃貸マンション、抵当権が実行されたら賃貸契約は?

中国で賃貸しているアパートに抵当権が設定されているか知っていますか?大家さんが住宅ローンを返済できず、もし区分所有建物(分譲マンション)が差し押さえられてしまったら、賃貸で借りている借り主はどうなってしまうのでしょうか?

1.大家が借金で賃貸マンションを手放したら?

抵当に入っていた賃貸マンションが債権者に取られてしまったら?

中国で賃貸しているアパートは多くの場合、個人の物件オーナーさんから借りていることでしょう。そのときに賃貸契約を締結しているはずです。もし、物件オーナーである大家さんが賃貸マンションを抵当にいれていて借金を行い、その借金の返済ができなくなって賃貸マンションを手放した場合、自分が締結している賃貸契約はどうなってしまうのでしょうか?

抵当権とは?
抵当権(ていとうけん)とは、借金などの債務の担保を設定して、借金が返済されないときにその担保によって弁済をうける権利。抵当権という担保を設定しても、引き続き利用することができる。中国語では抵押権(ディーヤーチュエン)という。

抵当権の設定日が重要!

これは抵当権の設定日と賃貸契約日のどちらが早いかがポイントになります。もし、抵当契約を締結してから賃貸した場合は、抵当契約が優先されてしまいます。このような状況で大家さんが借金の返済手段として不動産を手放す場合、抵当契約のほうが優先されてしまいます。

反対に賃貸契約を締結してから抵当契約が締結された場合、賃貸契約は契約期限までは優先されます。抵当権が実行されて所有者が変更されても、その賃貸マンションには契約期間中は住み続けることができます。

2.中国の複雑な法律

賃貸契約を保護したり、抵当契約を保護したり

中国では賃貸契約している借り主は、契約法(合同法)の第229条で「賃貸物の所有権が賃貸期間中に変更されても、賃貸契約の効力に影響はしない」という条文で保護されています。

中国の契約法(合同法)とは?
中国の契約法(合同法)は、贈与、賃貸、金銭契約、請負など広範囲の契約について規定している法律。1999年10月より施行。中国の契約に関する基本的なことを定めている。

いっぽうで、中国の物権法の第190条には「抵当契約を締結するまえに財産が貸し出されている場合、その賃貸契約は抵当権の影響を受けない。いっぽう、抵当権が設定されてから抵当財産が貸し出された場合、その賃貸契約は抵当契約に対抗できない」と明確に書かれています。つまり、抵当契約と賃貸契約のどちらが先に締結されたかが重要になります。

中国の物権法とは?
中国の物権法は、不動産などのモノの所有権を定めた法律。2007年10月より施行。不動産登記、抵当権などの担保について定めた法律。担保法(1995年10月施行)と一致しない内容は物権法に従うことになっている(物権法の第176条)。

もう少し詳しく法律で書かれている

賃貸マンションを借りている人にとって、賃貸で借りるアパートに抵当権が設定されているかどうかは分かりにくいものです。普通の借り主であれば、そのような抵当権の影響について考えないものでしょう。

そのような配慮からか、担保法司法解釈の第66条では「物件オーナーは抵当権を設定しているならば、借り主に書面で抵当権を設定していることを伝えなさい。もし伝えていないかったならば、それを理由に発生した借り主の損害は物件オーナーが補償しなさい」という内容の条文が書かれています。(了)

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