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中国でアパートの所有者が変更、引越ししないといけない?

中国で賃貸しているマンションの大家さんから「この部屋を売却するので出て行ってほしい」と言われることがあります。中国で賃貸マンションの所有者である物件オーナーが代わったら、借り主は引越ししなければならないのでしょうか?

1.賃貸マンションの所有者が変更?

なに?賃貸しているアパートが売却される?

中国で賃貸されているマンションは、その所有者である物件オーナーにとって投資対象として考えている人は少なくありません。その物件オーナーは、不動産価格がある程度上昇したら売却したいと考えている人もいます。または、子どもが留学や結婚するために現金が必要になって、賃貸に出しているマンションを売却するということも起こります。

もし、自分が賃貸しているマンションが売却されてしまったら、その締結している賃貸契約は中国ではどうなってしまうのでしょうか?大家さんから「マンションを売却するので出ていってほしい」と言われたら、どのように対応すれば良いのでしょうか?

2.所有者変更後の賃貸契約の取り扱い

契約法で賃貸契約は保護されている

たとえ中国で賃貸しているアパートの所有者が変更されても、その締結している賃貸契約は契約期間中は有効です。失効になることはありません。これは中国の契約法(合同法)の第229条で「賃貸物の所有権が賃貸期間中に変更されても、賃貸契約の効力に影響はしない」と明記されています。この条文により、所有者が変更されても賃貸契約は変更されることはありません。

よくあるケースとしては、物件オーナーである大家さんから「このマンションを売却するから◯◯までに出ていってほしい。デポジットを倍返しするから。」と言われることが多いかもしれません。この場合は大家さんの都合による解約となります。大家さんから売却理由だけを理由に退去を求められても、基本的には出て行く必要はありません。

優先購入権という制度もある

じつは賃貸している物件が売却される場合、中国では借り主は優先購入権という権利を保有しています。ほかの一般的な人や競売など行われたときに優先して買い取る権利をもっています。これは物件法(第101条)、民法通則(第78条の3項)、城鎮房屋租賃司法解釈(第22条、第23条)で明記されています。

ただし、城鎮房屋租賃司法解釈の第24条では、賃貸マンションの共同名義者が買い取る場合や親族(父母、配偶者、兄弟、子どもなど)に売却する場合には優先購入権は認められません。

このように賃貸している人は中国の法律で保護されています。しかし、実際に大家さんから出て行ってくれと言われた場合は、多くの日本人は引越しを余儀なくされています。なかなか、中国で大家さんとモメるのも大変ですので。(了)

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