上海公共交通カード、これが優遇の仕組み

上海に住んでいる日本人なら、かならず一枚はもっている上海公共交通カード。この上海公共交通カードには、いくつか優遇が用意されている。そして、オーバードラフト（借越）という裏ワザまであり、理解しておいて損はないはずだ。

１．上海公共交通カード

上海公共交通カードはどこで使える？

上海の生活で必須のアイテムのひとつに上海公共交通カードがあげられる。このカード一枚あれば、公共バスで小銭をさがしたり、地下鉄でカード式の切符をならんで購入する必要がない。とっても便利な一枚。

残念なのは、いまのところ上海公共交通カードはファミリーマート（中国語では全家）などのコンビニエンスストアの店舗でチャージ式の電子マネーとして使うことはできない。

広東省の広州市で流通している羊城通（ヤンチョントン）とよばれる交通カードは、広州市内にあるセブン-イレブンやファミリーマートなど幅広い店舗で利用できるし、チャージもできる。

上海市

上海市は、中国の中央政府が直接管轄する４都市ある直轄市のひとつ。総人口は2,425万人（2014年末）。上海市に滞在する在留邦人数は57,458人（2012年10月時点）で、中国でもっとも日本人の多く住む都市。上海市の面積は6,340㎡で東京都の約３倍。上海市の略称は滬（hu）または申（shen）、申城とも呼ばれる。

上海公共交通カードの優遇は？

上海公共交通カードを使うことで優遇を受けることはできるのだろうか？この上海公共交通カードには、いくつか優遇が用意されていて、日本人が覚えておいたほうがよい３つの優遇をここで紹介する。

この上海公共交通カードについて確認したキッカケは、以前からときどき公共バスの乗車賃が１元になっているときがあった。もしかすると、この路線だけは特別安いのかなっと思っていた。

しかし、ある日自分のまえの同じバスに乗車する女性は１元で、自分は２元のときがあり、その女性に運賃の違いについて聞いてみると、上海公共交通カードには乗り継ぎの優遇があることをおしえてくれた。そんな経緯で調べることに。

当座借越（オーバードラフト）的なことも可能

この上海公共交通カードは当座借越（オーバードラフト）的なことも実は可能になっている。残高がゼロになるまえであれば、最大マイナス８元（約130円）まで利用することができる。

つぎにチャージするとき、あるいは上海公共交通カードを払い戻すとき、このマイナスされている金額は清算される仕組み。たとえば、１元のカード残額で地下鉄５元の区間を乗車した場合、マイナス４元の残高になるものの使用することができる。すでにゼロになったあとは、上海公共交通カードでマイナス利用はできない。

２．上海公共交通カード利用するときの注意点

公共交通カードの保証金（デポジット）の払戻時

この上海公共交通カードは、普通カード、記念カードなどいくつかカードに種類がある。基本的に普通カード以外は保証金（デポジット）の払い戻しができない。

普通カードもカード本体が傷ついていないければ、保証金の返金をしてくれる。利用規約によると、カード本体に一定の損傷が見られる場合は、保証金の返金をせずにカード本体だけを回収すると規定しているので注意が必要だ。

タクシーで公共交通カードが利用できないとき

上海ではタクシー乗車時の支払いに上海公共交通カードを使用することができる。上海では正規タクシーの外観をよそおったクローンタクシーとよばれる白タク（中国語では黒車）がけっこう見られる。

白タクとは？

白タクとは、無許可で料金をとって顧客を乗車させている行為または行為をおこなっている個人事業者をさす。日本では正規タクシーの緑色のナンバープレートに対して、営業許可をもっていない自動車のナンバープレートは白色。

クローンタクシーの特長のひとつに、乗車時に上海公共交通カードを利用できないことを伝えてくるところ。上海のタクシーは上海市交通委員会により上海公共交通カードの利用が義務づけられているので、カードが使えないタクシーは敬遠したほうがいい。違法タクシーである可能性が高い。

もしタクシーに設定された機器の故障により上海公共交通カードが利用できない場合は、上海市交通委員会が定める法規の第11条３項により、初乗り運賃分14元（AM5時からPM23時）を差し引いた残りの金額を支払えばよいことになっている。（了）