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中国のスマホ端末(携帯電話)、日本で利用するには?

日本に一時帰国したとき国際ローミングが利用できない、中国で購入したスマートフォンに日本のSIMカードを挿入しても利用できない、このような事態に遭遇したことはないだろうか?いずれも通信規格がマッチしていないことが原因だ。

1.中国のスマートフォンを日本で使う

なぜ中国のスマホが日本で利用できない?

日本に一時帰国して、中国のSIMカードが利用できなかった経験はないだろうか?あるいは、中国で購入したスマートフォン端末を日本のSIMカードを挿入しても利用できなかったということはないだろうか?なぜそのような事態が発生するのだろうか。どうすれば問題なく利用できるか注意点をあげたい。

(写真1)日本と中国のスマートフォンの違い、なぜ利用できないのか?

(写真1)日本と中国のスマートフォンの違い、なぜ利用できないのか?

国際ローミングはスマホ端末や契約プランが問題!

まず、日本に一時帰国したときに海外ローミングを利用できないというケース。まず1つ目の問題として、中国で購入したスマートフォン端末が日本の通信規格にマッチしていない場合がある。中国と日本の通信キャリアは事業提携しており、日本でも海外ローミングにより中国のSIMカードが基本的に利用できる。ただし、スマートフォンまたは携帯電話の端末本体が日本の提携先キャリアの通信規格にマッチしていないと利用できない。

もう1つは、中国の通信キャリアに海外ローミング利用申請をしていないケース。中国移動(チャイナモバイル)、中国電信(チャイナテレコム)、中国聯通(チャイナユニコム)との契約プランによっては、海外ローミングの申請自体が不要なものもある。いっぽうで、海外ローミングを利用するためには保証金を前払いで支払っておかなければならないケースもあるので注意が必要だ。

(写真2)通信キャリアとの契約プランにより海外ローミングの申請が必要

(写真2)通信キャリアとの契約プランにより海外ローミングの申請が必要

海外ローミングとは?
海外ローミングとは、携帯電話やインターネットサービスにおいて、事業者間の提携により、海外の提携先のサービスエリアを利用すること。中国移動(チャイナモバイル)はソフトバンクと提携しており、日本で海外ローミングするとソフトバンクの通信ネットワークを通して利用することになる。

中国で購入したスマホは日本の通信規格に対応しているか?

日本で契約しているSIMカードを中国で購入したスマートフォンに挿入して利用することは可能なのか?中国で購入したスマートフォン端末が日本の通信規格に対応していれば利用可能だ。スマートフォン端末が中国独自の通信規格しか対応していなければ、日本のSIMカードを挿入しても利用できない。

日本と中国の通信規格の両方で利用できるスマートフォン端末を購入すれば、この通信規格の問題を避けることができる。そのためには日本と中国の通信規格の違いを理解しておく必要がある。

2.中国と日本の通信規格の違い

通信キャリアとスマートフォン端末の通信規格を一致させる!

中国にはモバイル通信大手が3社ある。中国移動(チャイナモバイル)、中国電信(チャイナテレコム)、中国聯通(チャイナユニコム)の3社だ。現在、モバイル通信には2G、3G、4G(LTE)の通信規格があり、日本では3Gと4G(LTE)の利用が主流だ。

中国では基本的にスマートフォン・携帯端末とSIMカードは別売りのため、日本のようなSIMロック(利用制限)は行われていない。中国移動は4GにTDD-LTEという通信規格を採用していて、中国電信と中国聯通はFDD-LTEを採用している。当然、中国国内でもTDD-LTEにしか対応していない中国移動専用のスマートフォン端末に、ほかの通信キャリアのSIMカードを挿入しても利用できない。スマートフォン端末と通信会社の通信規格がマッチしていないからだ。

(写真3)中国の通信キャリア別の通信規格、それぞれ異なる通信規格を採用

(写真3)中国の通信キャリア別の通信規格、それぞれ異なる通信規格を採用

日本の4GはFDD-LTE、SIMカードと端末を一致させる!

まず、日本の4GはすべてFDD-LTEという通信規格が利用されている。中国で購入したスマートフォン端末がFDD-LTE対応のものであれば、日本国内でも利用可能だ。中国では中国移動のみTDD-LTEという独自の通信規格を採用している。TDD-LTEという独自の通信規格しか対応していない中国移動向けの専用端末は、日本のSIMカード(4G用)を挿入しても利用できない。

3GはWCDMA(ドコモ、ソフトバンク)とCDMA2000(au)

日本の3Gにマッチさせるためには、中国聯通のWCDMAであればドコモとソフトバンクで利用可能。中国電信のCDMA2000(EVDO)はau(KDDI)に対応している。中国移動のSIMカード(3G)を日本で利用するためには、WCDMA(3G)とGSM(2G)のどちらかの通信規格にも対応している携帯端末であれば利用可能だ。

(写真4)中国移動(チャイナモバイル)専用スマートフォンの通信規格

(写真4)中国移動(チャイナモバイル)専用スマートフォンの通信規格

すべての通信規格に対応したスマートフォン端末が登場している!

最近までスマートフォンメーカーは中国の通信キャリア別の通信規格にマッチした専用端末を製造していた。ところが、最近ではすべての通信キャリアに対応したスマートフォンも発売されている。たとえば、小米(Xiaomi)から2015年10月に発売された小米4c。中国で販売されているiPhone6シリーズは、すべての通信キャリアに対応している。

(写真5)すべての通信規格に対応しているスマートフォン(小米4c)

(写真5)すべての通信規格に対応しているスマートフォン(小米4c)

スマートフォンメーカーの小米(Xiaomi)
小米(Xiaomi)は、2010年4月に設立されたスマートフォン製品に注力する会社。正式名称は北京小米科技有限責任会社。北京市に本社を置く。小米の成長速度ははやく、スマートフォンの販売台数は719万台(2012年)、1,870万台(2013年)、6,112万台(2014年)と急成長している。従業員数は約7000人。創業者は雷軍(1969年生まれ)。

中国でスマートフォンを購入するとき、日本での利用を考えるとFDD-LTE(4G)に対応したものを選択すればよい。中国では、いまだに3Gのスマートフォンや携帯電話を利用している人は少なくない。その場合はスマートフォンや携帯電話が日本で利用できるWCDMA(ドコモ、ソフトバンク)やCDMA2000(au)に対応しているか確認が必要だ。(了)

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