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支付宝(アリペイ)と銀行カード、連結(リンク)ができないときは?

中国で数年前から急激に普及してきた電子決済サービス。スタンダードになりつつあるのは支付宝(アリペイ)と微信支付。この電子決済サービスを利用開始するときにつまずく点は、電子決済サービスと銀行口座の紐づけ(リンク)作業だ。

1.中国本土で広まる電子決済サービス

支付宝(アリペイ)、微信支付で小銭いらず!

中国本土ではスマートフォン(スマホ)にインストールした電子決済サービスの専用アプリ、支付宝(アリペイ)や微信支付が欠かせない日常ツールになってきている。日本国内では現金以外の支払い方法として、クレジットカード、Suica(スイカ)などの交通系非接触型ICカードなどを利用することができる。

いっぽう、中国では交通系非接触型ICカードは公共交通機関でしか使えないケースが多く、現金以外の支払い方法としては銀聯カードに代表されるデビッド機能付きのキャッシュカード(銀行カード)が一般的に利用されている。ところが、約1年ほど前より、電子決済サービスが少しずつ普及してきている。

その代表は阿里巴巴(アリババ)集団が展開する支付宝(アリペイ)、騰訊控股(テンセント)の微信支付、そして、インターネット検索エンジン大手の百度(バイドゥ)による百度銭包の3つ。いまのところ、支付宝(アリペイ)と微信支付が市場シェアをはげしく争っている状況だ。

(写真1)実店舗でも利用できるところが増えている電子決済サービス

(写真1)実店舗でも利用できるところが増えている電子決済サービス

支付宝(アリペイ)
支付宝(アリペイ)とは、阿里巴巴(アリババ)集団が展開している電子決済サービス。2004年からサービス開始。インターネット上で決済できるだけでなく、ファミリーマートや大手スーパーのカルフールなどの実店舗での利用も進んでいる。利用登録者は3億人超で、実際のアクティブユーザー数は2.7億人と公表されている。

2.支付宝(アリペイ)を使うために

銀行カード(キャッシュカード)との紐づけが必須!

現在、もっとも使われている電子決済サービスは支付宝(アリペイ)。これ1つを導入すると、中国での生活はずいぶん楽になる。また、支付宝(アリペイ)は利用者数や利用可能店舗数の拡大(マーケットの拡大)を目指して、ときどき割引キャンペーンをおこなっているので現金で支払うよりもお得なケースも少なくない。

この支付宝(アリペイ)は外国人でも利用可能だ。ただし、中国本土で銀行口座を開設していないと利用することはできない。仕組みとしては、支付宝(アリペイ)という電子決済サービスを通して、銀行口座より利用した金額をリアルタイムで引き落としている。

(写真2)支付宝(アリペイ)にリンクさせた中国銀行と招商銀行の口座

(写真2)支付宝(アリペイ)にリンクさせた中国銀行と招商銀行の口座

支付宝(アリペイ)なら銀行振込も手数料タダで可能!

支付宝(アリペイ)を利用すれば、ほかの銀行口座にも振込手数料タダで送金することが可能だ。振込先は、自分の別の銀行口座でも、ほかの人の銀行口座でも問題ない。この仕組みにより、振込手数料を支払わずに、さまざまなケースに対応できるようになった。

たとえば、中国で賃貸しているアパートの家賃の振込み。中国銀行から招商銀行への自分名義の振り替えも無料で可能だ(インターネットバンキングで行うと手数料が発生する)。

中国では広東省で開設した銀行口座を利用して、ほかの都市のATMで現金を引きだすと、たとえ同じ銀行のATMであっても、引き下ろし手数料が発生してしまう。そのため、中国国内で転勤した場合、あたらしい都市で銀行口座を開設し、支付宝(アリペイ)を通して古い銀行口座(この場合は広東省)から新しい銀行口座に預金の移動をタダで振り替えることができる。

(写真3)支付宝(アリペイ)を利用して、お金の移動ができる

(写真3)支付宝(アリペイ)を利用して、お金の移動ができる

銀行カードの紐づけ(リンク)ができない理由は?

支付宝(アリペイ)と銀行カード(キャッシュカード)を紐づけることができないという人はいないだろうか?正しい登録情報(個人情報)を入力したものの、支付宝(アリペイ)で認証エラーが発生してしまう。

この認証エラーは、銀行口座の姓名の順番が間違っていることが少なくない。たとえば、田中一郎(Tanaka Ichiro)という姓名の場合、「Tanaka Ichiro」と「Ichiro Tanaka」の2パターンがある。まずは銀行カード(キャッシュカード)本体に印字されている姓名の順序を確認して、そのとおりに入力してみると多くのケースで問題は解決されるはずだ。

(写真4)支付宝(アリペイ)と銀行カードの紐づけ画面

(写真4)支付宝(アリペイ)と銀行カードの紐づけ画面

中国のネット通販サイトや実店舗で電子決済サービスの利用範囲が進んでいる。銀聯カードに代表されるデビッドカードの場合、その都度、暗証番号を入力する手間が発生するが、電子決済サービスでは自分のスマホ本機で暗証番号をリアルタイムで入力すればOKだ(暗証番号なしで決済する設定も可能)。

現在ではローソンやファミリマートなどのコンビニでも電子決済サービスが利用できるようになり、ますます生活に欠かせないツールになってきている。実際に利用してみると、銀聯カード付きのデビッドカードよりも支付宝(アリペイ)のほうがストレスなく支払い処理ができることを体感するはずだ。(了)

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