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中国での店舗物件選び、失敗しないために注意すべきは?

日本でも中国でも雑貨店やレストランなどをオープンするには店舗物件が必要だ。中国ではショッピングモールや百貨店なども苦戦するなか、赤字になってしまう店舗物件があふれている。物件契約前にリスク要因の再整理が必要だ。

1.高騰している中国の店舗物件

58同城や百姓網などで相場価格の把握

中国でレストランや雑貨屋などをオープンさせるとき、かならず必要になるのは店舗スペース。中国で店舗物件を借りる場合、基本的に保証金(デポジット)や礼金(いろいろな名義)は日本よりも賃料に対して低い。ただ、場所やオーナー次第で賃貸料が大きく異なるので、日本以上に事前調査は念入りに行いたい。

日本ではインターネットサイトに店舗物件の価格がずらっと並んでいるので、面積(広さ)あたりの賃料から相場賃料を算出するのは難しくない。いっぽう、中国では空き店舗の流通速度が日本よりもはやいため、インターネットで十分な比較情報が得れないケースが多い。

それでも参考にできるのは、生活総合サイトの58同城や百姓網の店舗賃貸欄だ。ここで空き店舗の賃貸料など、おおまかに知ることができるが、不正確な情報も少なくないので注意が必要だ。

(写真1)石路駅(蘇州市)にある地下鉄商業街、空き店舗が多い

(写真1)石路駅(蘇州市)にある地下鉄商業街、空き店舗が多い

2.ターゲット地区を歩く

ネット情報だけでなく現地を知ること!

58同城などのネット情報だけでは、中国ではよい物件を見つけることができない。街なかの不動産仲介業者にヒアリングも必要だ。さらに、自分自身でターゲットとして考えている地区を歩いて、空き物件がないか見てみると良いだろう。「空き店舗がないか」という目線で街中をみると、けっこう空き店舗が目につくはずだ。

中国では居抜き(内装工事済みの物件)も少なくない。58同城で「ビジネス譲渡(生意转让)という欄に、営業中の店舗の転売情報なども掲載されている。このビジネス譲渡で留意が必要なのは、譲渡金(转让费)と呼ばれる内装・設備の売却代が発生するケースがあることだ。このような譲渡ビジネスは営業が上手くいっていないケースがほとんどなので、しっかり値下げ交渉することが必要だ。

(写真2)見栄えのため空き物件にシートがかけられている(蘇州市姑蘇区)

(写真2)見栄えのため空き物件にシートがかけられている(蘇州市姑蘇区)

内装工事、人通り、周辺店舗などリスクだらけ!

中国での実店舗ビジネスはリスクだらけと言っても過言ではない。内装工事前にデザインパース(デザイン設計図)を制作してもらうものの、実際に出来上がった店舗が大きく異なるケースもありえる。当初の計画ほど人通りがなかったり、周辺店舗が大音量の音楽を流して困ってしまうケースも発生するだろう。

また、ある程度しっかりしたショッピングモールに出店すると、売上高に対してのコミッション(手数料)をショッピングモール運営会社に支払うことも一般的だ。立地選定前に、賃料、集客、周辺店舗などのリスクを考えすぎたということは起こらないので、契約前にどこまでリスクを許容できるか考えてみる必要がある(これは日本でも同様だ)。

(写真3)スケルトンの空き店舗だと完成後のイメージがつかみにくい

(写真3)スケルトンの空き店舗だと完成後のイメージがつかみにくい

スケルトンと内装後は雰囲気がまったく異なる!

内装工事に関しては、信頼できる業者をどのようにして探すかに尽きる。中国でも内装工事には小さな店舗であっても5万元(約80万円)は必要になる。ここで失敗しては前に進めないので、相見積もりと業者との面談で信頼できる業者をしっかり選定することが必要だ。

(写真4)写真3のスケルトンの内装後、おしゃれなマッサージ店

(写真4)写真3のスケルトンの内装後、おしゃれなマッサージ店

日本人のいる内装業者の探し方は、インターネットとウェンネバーなどの地域情報誌が参考になる。出店予定の都市に知り合いがいるなら、知人から紹介してもらうのが一番良いかもしれない。そのときも相見積もりを忘れずに。(了)

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