中国での内装工事、業者に任せきりの材料選びは失敗も!
中国で店舗(レストラン、雑貨店など)をオープンする場合、かならず検討が必要になるのは内装工事。もっとも重要なのは信頼できる業者かどうか。しかし、たとえ信頼できる業者を見つけても、内装材料を業者任せにすると誤解も起こる。
1.重要な材料選び
材料の色や柄の選定が重要!
中国で家や店舗の内装工事を行うなら当然ながら材料が必要。日本であれば業者に材料購入などすべて任せていれば問題ないだろう。いっぽう、中国では内装会社(多くは店舗デザインもしている)にデザイン図(CGデザイン図)を制作してもらっても、正確に再現(内装工事)できる可能性はかぎりなく低い。
そのため、材料、とくにその色合い・柄(模様)は材料購入時に依頼主が直接、確認しておいたほうがいいだろう。ファサード(店の看板)の色が異なるだけで、お店の雰囲気もガラッと変わってしまうので、材料の色・柄に注意することは店舗づくりに欠かせない。
2.材料あふれる蘇州華東装飾城
サンプル品より材料の決定!
中国での店舗設計は、設計図とデザイン図(CGパース)を作成した上で内装工事を進めていくのが一般的。そのデザイン図の色柄の材料がかならずしも見つかるとは限らないのが現状だ。さらに、色柄にたいしては個人差があり、業者がデザイン図と似ていると思った色も、依頼主にとってはぜんぜん異なる色と見える場合も少なくない。
そのような誤解を避けるため、重要な部分の材料については業者と一緒に材料の卸売り市場で色柄を確認するのが無難だ。スマートフォンで写真を撮り、微信(ウィーチャット)や短信(ショートメッセージ)を通して色柄の確認を求めて来る業者もいるものの、画像と実物の色(見え方)に差異が発生するケースがあることに注意が必要だ。
タオバオでも材料は売っているが・・・
中国の巨大ネット通販サイトといえばタオバオ。内装材料についてもタオバオで入手することは可能だ。しかも、市場価格で販売しているので高値つかみの可能性が少ないという利点も。ただ、実物をみて、さわって確認できないという大きな欠点が残る。
中国で店舗や住宅の内装工事を業者に任せる場合、材料の一部を自分で調達するという方法もある。ただ、内装工事の経験がないと、適切な材料を購入することができないため、ある程度、業者に任せてしまうほうが効率はいいはずだ。
蘇州華東装飾城で入手したカーペット!消防関係にも注意
けっきょく、蘇州華東装飾城で購入したタイルカーペット。お店の雰囲気にもマッチしており大満足。なお、中国で忘れてはいけないのは消防関係の規定だ。店舗の立地などにより、消防関係の規定が要求する材料品質は異なる。お店が完成しても消防関連の規定違反にあたる材料を使っていると開店(オープン)できない。
3.蘇州市内中心部にある東明装飾城
相場はタオバオで確認!
中国で相場価格を確認するなら、やはりタオバオ。ほとんどの商品は輸送費を含めても、タオバオで安く買うことができる(これが、中国の実店舗が苦戦している大きな理由のひとつ)。タオバオでメーカー名と品番を打ち込むと、同じ製品の価格がずらっと表示される。
意外にきれいな内装材料の卸売り市場!
日本人のイメージする卸売り市場と異なり、中国の卸売り市場のなかは清潔だ。浙江省の義烏(イーウー)でも、広州市のアパレル卸売り市場にしても、日本人でも安心して回れる清潔さを維持している。中国の卸売り市場というと汚い、乱雑なイメージを思い浮かべてしまうかもしれないが、現状は大きく異なる。
内装工事にかぎらず、中国では業者任せにすると失敗することが少なくない。自分自身がその分野に強くなくても、できるかぎり積極的にかかわることが重要だ。インターネットを活用して、中国、その土地の内装材料、店舗賃料など相場価格を確認することで防げる失敗は多いはずだ。(了)