上海市金山区への行き方、上海南駅から専用鉄道が走っている!
上海市内の中心部から少し離れたところに位置する上海市金山区。日系企業の工場も進出しており、ビジネスで金山区を訪れる人もいるのではないだろうか。金山区への公共交通機関であれば、上海南駅発着の金山鉄路を利用すると最も便利だ。
1.上海市の金山区
上海市の西南部に位置する郊外地区、今後の発展に期待!
上海市の西南部に位置する金山区は、市内中心部からは少しアクセスしにくいところに位置している。市内中心部から金山区に公共交通機関で移動するためには、上海南駅から金山鉄路とよばれる専用鉄道に乗車しなければならない。
この金山区は上海市の一部であっても、市内中心部とくらべると大きく経済発展が遅れている地域だ。まるで、地方都市に来たかのような風景が広がっている、まさに上海市の陸の孤島のような地区。
- 上海市の金山区
- 上海市金山区は、上海市の西南部に位置する行政地区のひとつ。上海南駅から金山鉄路で約30分のところに位置する。金山区の総人口は約80万人。上海市内中心部にくらべて発展が遅れている。住宅価格は市内中心部の三分の一から半値くらい、1㎡あたり1万元~1.5万元(約20万円~30万円/㎡)(市内中心部は3~5万元)。
2.上海南駅(地下鉄)から出発
金山鉄路(専用駅)から乗車、通常の長距離列車駅ではない!
はじめて金山区に訪れる人は、金山区へのアクセス方法に悩んでしまうかもしれない。一番手軽なアクセス方法は金山鉄路という専用鉄道を使う方法だ。この金山鉄路は上海南駅から発着しているものの、通常の長距離列車の上海南駅とは異なる搭乗ゲートとプラットホームになっている点に注意が必要だ。
つまり、上海南駅には長距離列車用の上海南駅、地下鉄の上海南駅、金山鉄路の上海南駅の3つの乗車駅が合わさっているということ。金山鉄路の乗車チケットは、鉄道部門が運営している12306.cnという公式チケットサイトで購入することはできない。はじめて金山鉄路を利用する人は、乗車駅とチケットの2つの点で戸惑ってしまうかもしれない。
金山鉄路の始発は早いが、最終便の終わりも早い!
上海市内の住宅価格が高騰している。上海市内の中心部にある住宅の購入をあきらめて、住宅価格の安い金山区の分譲マンションを購入し、金山区から市内まで通勤している人も少なくない。ただし、金山鉄路の最終便は、少し早めの22時前には終了してしまうので注意が必要だ。
ちなみに、上海南駅~金山衛(金山区)までの運賃は片道10元(約200円)。この乗車料金であれば、週に5往復しても経済的に問題ないだろう。乗車時間も30分と十分通勤できる距離だ。上海南駅から職場までの距離が近ければ、金山区の住宅購入も選択肢として悪くない。
上海交通カードも利用可能!自動発券機でも購入可能
金山鉄路では上海交通カード(ICカード)を使って乗車することも可能だ。もちろん、自動発券機で1回ごとに乗車券を購入することもできる。自動発券機で乗車券を購入するとき、どの列車便に乗車するか選択する必要があるものの、すべて自由席になっているので特に乗車する便の選択を気にする必要はない。
3.金山鉄路のようす
上海南駅~金山衛まで直行便と各駅停車の2種類の運行!
金山鉄路は直行便(上海南駅-金山衛駅)と各駅停車(7駅、各駅停車)の2種類の便が運行されている。直行便であれば、だいたい30分程度で目的地に到着できる。いっぽう、各駅停車の場合、上海南駅から金山衛駅まで1時間ほどかかってしまう。間違えて各駅停車に乗車しないように注意が必要だ。
金山鉄路のなかは自由席のみ、列車内は和諧号と同じ仕様!
金山鉄路はすべて自由席、列車は高速鉄道(新幹線に相当)の和諧号と同じ仕様だ。上海交通カードを利用した乗車はもちろんのこと、自動発券機で乗車券を購入しても「無座(席なし)」と印字されている。乗車時間によるものの、金山鉄路の利用者はけっこう多いため、早めに列車に乗り込んで座席を確保したほうがいい。
- 高速鉄道の和諧号
- 和諧号は2007年からスタートした中国の高速鉄道。CRH(China Railway High-speed)とも呼ばれ、日本語では「中国高速鉄道」。現在の中国高速鉄道は、シーメンス(ドイツ)、川崎重工(日本)、ボンバルディア(カナダ)、アルストム(フランス)などの海外技術をもとに、中国が独自開発したとされている。最高時速350km/h。
上海市の松江区に移動する場合は、長距離列車用のプラットホームから乗車が必要。唯一、金山区行きの金山鉄路のみ、特別な路線になっているので、はじめて利用する人は混乱しないように乗り口に注意が必要だ。(了)