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中国の高校、示範性高級中学と呼ばれる中国の進学校

中国には示範性高級中学と呼ばれる進学校がある。日本の高等学校に相当する高級中学(高中)は公営か民営かという違いだけでなく、国や省など政府から示範性高中として認定されている。この示範性高中とは一体どのようなものか?

1.中国の進学校である示範性高中とは?

中国の教育システムは?

中国の教育システムは日本と同じ小学校6年、中学校にあたる初級中学3年の合計9年間を義務教育としている(上海市では小学校5年、初級中学4年)。初級中学を卒業すると、中国全土で90%近い学生が日本の高校に相当する高中段階の学校に進学する。高中段階の学校は、普通高級中学(高中)と中専と呼ばれる学校に分かれる。

中国ではどのような高校入試が行われているのか?中国の高校入試は、中考と呼ばれている。日本の普通高校に相当する普通高級中学(高中)は基本的に3年制。中専は主に3年制の学校やコースが多いものの、5年制の学校もある。

中国の中考とは?
中考は高中段階の学校(日本の高校に相当)に進学するための入学試験。毎年6月に実施されている。中考は通称で正式な名称は各地域で異なる。北京市は北京市高級中等学校考試、上海市は初中卒業統一学業考試が正式名称。

示範性高中とは?

中国にある示範性高中は、どのような学校なのだろうか?示範性高中は各地域で教育管理などが優良と認定された普通高級中学(普通高等学校)。2001年の国務院(内閣に相当)による教育改革方針により、教育レベルの高い示範性高中を認定していくことが決定されている。

上海市は2005年にはじめて示範性高中を認定したが、実質的には以前の重点中学と呼ばれる学校の呼び名が変わっただけとも言われている。広東省の広州市では、示範性高中のなかに省級、市級、区級など認定レベルが分かれている。四川省では省一級示範高中、二級示範高中と分かれている。

つまり、高中(高等学校)のなかにも示範性かどうか、どの行政単位レベル(日本で言えば国レベル、県レベル、市レベルなど)から認定されているかにより、高中(高等学校)のランクが決まる仕組みになっている。

示範性高中の大部分は公営の学校

中国には公営と民営の2つの学校がある。上海市の示範性高中をみると、ほとんどは公営の学校が認定されている。民営学校で認定されている学校はほとんどない。

2.優秀な人材を育成する示範性高中

優秀な学生が集まる仕組み

中国の示範性高中には優秀な学生が集まりやすい。上海市の中考(高校入試)では、示範性高中に限定して、区(地域)をまたいで入学の志願ができる仕組みになっている。また、上海市の高校受験における推薦制度は示範性高中のみを対象にしている。

広東省の広州市でも、示範性高中に優秀な学生が集まるようにしている。省級と市級の示範性高中は、高校受験時に広州市全域から志願することが可能である。普通の高中は、区(地域)を跨いで志願することはできない。(了)

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